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アジア環境人材育成ビジョン

アジア環境人材育成ビジョン策定の経緯

2002年に開催された、ヨハネスブルグサミットにおいて、小泉総理(当時)から「国連持続可能な開発のための教育の10年(UNDESD)」が提案されました。同年、国連総会で2005年からの10年をUNDESDとする同提案が全会一致で採択され、翌2006年、日本におけるUNDESD国内実施計画が策定されました。この計画の中で初期段階の重点的取り組み事項として高等教育機関における取組が位置づけられ、2007年6月、「21世紀環境立国戦略」及び「イノベーション25」の2つの閣議決定の中で、国内外で活躍できる環境人材を育成することが盛り込まれました。また同年、東アジアサミットや日中ハイレベル対話などにおいて、環境人材育成に係るアジア各国との連携協力に合意がなされました。

これらを踏まえ、環境省は大学、企業、NPO等の有識者から成る検討会を設置し、「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン(アジア環境人材育成ビジョン)」を2008年3月に策定しました。

持続可能なアジアの実現に必要不可欠な次世代型人材像とは

持続可能な社会作りに必要なアジアの対応

アジアの急速な経済成長や人口増加などに伴い、資源・食糧・水需要の拡大、公害・健康被害の発生、温室効果ガス排出の増大などが顕著になってきています。

そのため、アジアにおいて持続可能な社会づくりに取り組む環境人材の育成が急務の課題になっています。

持続可能な社会を実現していくうえで必要な人材は、大きく2つに分けることができます。

1.「環境配慮型市民」:自らの生活において、環境負荷の少ないライフスタイルを実践する人材。

これまでの環境教育は、この「環境配慮型市民」を増やすことに主眼が置かれていました。


2.「環境人材」:環境負荷の少ない商品やサービスの提供やビジネス、技術、そして政策を含め、環境を統合した社会経済システムへと変えていくような、社会を牽引するリーダー。

検討会では、この「環境人材」をターゲットとする育成ビジョンが示されました。

「環境人材」をターゲットとする育成ビジョン


ビジョンにおける環境人材の定義

人材育成に求められる3大要素

「環境人材」の考え方について、大学や企業、NGO等で環境保全に取り組む方々延べ200人以上にヒアリングを行い、環境人材には、強い意欲、専門性、そしてリーダーシップの3つの要素が求められることが示されました。

人材育成に求められる3大要素


長期的・短期的にアジアで求められる環境人材
発展段階の高いアジアの国で求められる環境人材 発展段階の低いアジアの国で求められる環境人材
短期的に必要となる人材 段階別
  • 環境規制などの施策を順守する倫理観や実行力
  • 現在すでに顕在化している環境問題の状況や影響について分析・モニタリングを実施できる技術
  • 環境負荷を低減できるグリーンな技術開発を行える能力
  • 国の実績に即した技術で、環境計画など活用していける技術を確実に習得・維持していける能力
  • 環境影響の大きさや緊急性から優先項目を的確に見極める判断力と、行動に移す実行力
  • 貧困等、社会面を充足しながら環境保全について取り組むことのできる能力
共通
  • 短期的ニーズと長期的ニーズを俯瞰的に評価・判断し、意志決定できる能力
  • 環境に係る知識・情報・技術などを各国内で普及していける指導者、教育者としての能力
長期的に必要となる人材 行政政府
  • 途上国の環境保全の歴史と経済発展の歴史や文化、社会制度に関する理解や環境法制度についての知識に基づき、途上国の社会構造の実態を分析できる能力
  • 途上国の特殊性や状況に基づく効果的な環境対策やさまざまなインセンティブのしくみを企画・構築できる能力
  • 先進国等が経験してきたが途上国にはまだ顕在化・重大化していない環境問題についての予防的な措置を検討し導入できる政策立案力・企画力
  • 先進国等が経験した環境保全への配慮が不十分な形での経済発展を回避しながら、経済発展と環境保全との統合を図る方策を検討し、実践する能力
企業
  • 中央政府や自治体による環境規制などの施策を順守する倫理観や実行力
  • 生産や製造等のプロセスをグリーン化していける技術力・開発力
  • 発展段階に応じて環境負荷を低減する新しいシステムや商品・サーブス等を導入する実行力
市民社会
  • 接続可能なアジアの実現に必要な知恵や技術を継承していける能力
  • さまざまな解決しなければならない問題の優先度を統合的な視点から判断できる能力
  • 環境負荷を低減したシステムや商品・サービス等を選択できる判断力

アジア環境人材育成イニシアティブとは

平成17年(2005年)から開始された「国連持続可能な開発のための教育の10年」を踏まえ、21世紀環境立国戦略(平成19年6月閣議決定)では、持続可能な社会の実現を担う環境人材を育成していくことの必要性が示され、環境人材育成イニシアティブをアジアで展開することとされました。

イニシアチブの概要

パンフレット ダウンロード [PDF:2.04MB]


環境人材育成ビジョンとは

環境省は、「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン」(環境人材育成ビジョン)を平成20年3月に策定しました。

環境人材育成ビジョンでは、社会のあらゆる場で、職業や市民生活等を通じて社会経済システムをグリーン化する環境人材を大学で育成するためのビジョンを描き出しました。

アジア環境人材育成ビジョン

ビジョン ダウンロード [PDF:1.42MB]