登録年度 | 2007年度 |
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氏名 | 川口 定男 (カワグチ サダオ) |
部門 | 事業者 |
性別 | 男 |
年代 | 60代 |
専門分野 | 環境マネジメント・監査、土壌・地下水、化学物質、その他 |
主な活動地域 | 東京都板橋区 |
主な経歴 | 板橋区役所の保健所食品衛生監視員として食品安全のほか食品製造施設の悪臭等の影響防止を指導。環境保全課にて工場等の公害防止・環境マネジメントを指導。環境衛生監視員として井戸水の汚染状況調査やビルの環境保全について指導。 |
特記事項 | 環境審査員、EA21審査人、公害防止管理者大気一種、水質一種、ダイオキシン類、都第一種)、アスベスト診断士、環境サイトアセッサー、土壌環境監理士・リスク管理者 |
活動の紹介
農作物普及と環境保全
前回に引き続き、大学生を対象に環境の普及を図った。今回は、各自の発表という形式の中での発表であったが、講師と受講者という関係でなく、各自がそれぞれの課題(環境問題に限らない)を取り扱う中での意見表明であった。この形でも、「いろいろな意見の中で環境知識の啓発を図り、討論を行っていく中で考えを明確化していける」ことは新しい発見であった。
私はわさび栽培の普及拡大と自然保護の関係について発表した。参加学生の農業普及課題討論において「農業発展と環境」という新しい視点で考えることができてよかった。
自動車企業の環境活動事例発表
日本を代表する自動車株式会社の環境活動であるライフサイクルCO2ゼロチャレンジ、2030マイルストーン、ライフサイクルでのCO2排出量等について解説した。当面の目標を「2013年比25%以上の削減」としており、大切なことは明確な環境目的と具体的な環境目標であることを強調した。同時に、課題として以下について考慮するべきこととして、チェリーピッキング的な環境配慮のグリーンマーケティングになりがちであることを忠告した。
日本茶関係活動における廃棄物処理等環境負荷の低減
日本茶関係イベント等では、製品包装や日本茶を淹れる際に使用するミネラルウォーターペットボトル等の廃棄物が出される。イベント運営者や管理担当者に対して、これらの3R(リデュース・リユース・リサイサイクル)やその理解に資する上流の製造から、下流に至る廃棄物処理、再生再利用等について作業をしながら解説した。併せて近隣住民の苦情発生にならない廃棄物の出し方等について、指導した。
廃棄ペットボトル等実際の物を処理しながらであったので、実演を交えての説明ができ、好評であった。
学校活動における環境負荷対応
学校活動や学校施設における環境負荷について、学校で主に管理を担当する職員に対して、現場をウォークスルーしながら解説した。以下のような物質等にかかわる施設や活動行為を分析し対応策の程度と種類を、ともに考えながら説明・指導を行った。
・アスベスト
・廃油等水質悪化物質
・廃棄物
・騒音
公害等は専門外の事務系の方々であったが、現場でどのようなプロセスで環境影響が発生するのかを説明しながら指導した。
これまでと現状だけではなく、今後のあるべき姿や方針についても説明した。
日本茶関係者に対する地下水の説明
日本茶関係者に対して地下水の状況、挙動について簡単に解説した。合わせて地下水の水質について説明した。
・地下水の概要
・地下水の挙動
・地下水の水質について
・日本と外国の地下水の水質の違いとその理由
等についてわかりやすく説明した。
日本茶の栽培やそれによる水質汚濁、日本茶を淹れるときの水質の重要性に深い関心を持っていたので、今回の解説について詳細まで理解してくれた。
生活と活性酸素について
日常生活における活性酸素について、大学院生に解説した。
一般的に、活性酸素が日常生活に広く関わっており、かつ健康に深く関係していることは知られていない。今回は理系大学院生に対して
・活性酸素の概要
・活性酸素発生の機序
・活性酸素と健康
・日常生活と食品成分と活性酸素
等について、多少専門的に説明した。
今回は、化学的な知見をまじえて説明したが、元々関連する知識と関心を持っておりとても有用な解説であったとの評価を受けた。
毒物劇物法関連物質の環境上の取り扱いと事業者における法令順守、環境負荷低減の指導
毒物劇物法に該当する化学物質を扱う事業者に対して、当該化学物質の環境負荷を低減する取扱い方法と関係法令である毒物劇物法について指導、説明を行った。
特に法令順守の観点から考えると、毒物劇物法は本来、保健衛生目的の法令であり、事業者からは、「毒物劇物法は環境法令なのか」「環境法令と考えるならば、法令順守と環境負荷低減の観点からどのような管理を行うべきなのか」等の疑問が寄せられていた。これらのポイントを中心に、特に法令順守を詳細に指導、説明した。
アスベスト含有廃棄物についての指導
庁舎内で発生する、アスベストを含有する器具、建材を廃棄する場合の環境上安全で環境負荷を発生させない処理方法について指導、説明を行った。併せて廃棄物処理法等関係法令についても解説し、関係する法令を逸脱しない方法の説明と選択の指導を行った。
吹き付けアスベストは、施設管理者等も、その法的責任や環境負荷抑制・低減の意識が明確である。しかし、アスベスト含有建材等の場合は、その認識を持ちにくい。この点に特化して指導し、アスベストに関わる環境負荷低減、法令順守の理解をしてもらうことができた。