登録年度 | 1996年度 |
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氏名 | 下村 寛昭 (シモムラ ヒロアキ) |
部門 | 事業者 |
性別 | 男 |
年代 | 80代 |
専門分野 | 地球温暖化、資源・エネルギー、産業 |
主な活動地域 | 茨城県水戸市 |
主な経歴 | 九州大学にて、熱、流体工学及び原子力を研究後、日本原子力研究所において、熱工学に関する基礎及び応用的研究、各種原子炉と関連技術の研究開発に従事後、平成10年まで茨城県地球環境条例に基づく中小企業の省エネ及び環境対策を担当。その後、エネルギー及び地球環境問題について研究中。 |
特記事項 | 省エネ技術及び地球温暖化問題について、WEB上で啓蒙活動中。工学博士、エネルギー(熱)管理士、甲種高圧ガス、第一種放射線、第三種電気、乙種危険物主任(保安責任)者等。 |
活動の紹介
電池車のインフラとEV充電事業問題
EV用エネルギー源の他に、高圧送電線路、1次、2次変電所、配電線路及び充電施設の大幅な増強が必要となる。充電環境については(石油充填時間)/(EV充電時間)に比例した充電施設の増強が必要であり、石油充填時間5分、EV充電時間60分と仮定した場合、60/5 = 12倍の充電施設が必要となる。この様にEV充電事業は大規模な設備増強が必要となり経営を維持するには、充電代金の大幅引き上げを要する。その他、石油関連産業への大打撃や電池廃棄問題等が山積しており、それらの対策なしにEV導入を北欧や中国のように推進するべきではない。
電池車のエネルギー源問題
HVの熱効率に比較して発電施設から見た熱効率が低いEVの充電施設と必要発電施設は最大のインフラ問題である。我国で走行中の乗用自動車数約3900万台の内、1割が走行中と仮定し、その1台当たり出力を実在EVの公表平均値約5KWと仮定すると総出力は約2000万KWとなる。これを送配電効率、交直変換効率、直交変換効率及び電池効率の積、約0.61で除した値が必要な供給電力であり、約33GWとなる。即ち、乗用車の充電のみでも大型原発30基程度が必要となり、トラック、バス等も対象とすれば必要発電量は驚異的値となり、我が国では到底実現不可能だろう。
欺瞞と偏見が招いたEUのエネルギー政策の失敗と産業空洞化
前年より若干落着きが見られるがEU圏、英国等のエネルギー価格の大幅増で産業空洞化と国民生活窮乏が進行している。ロシア頼みのエネルギー政策失敗は低効率火力発電と他国からの電力購入の増加で賄われ、欺瞞に満ちた政策が実施され破綻に瀕している。更に幼稚で非科学的、且つ明らかな日本車叩きを目指した筋書からなるEU及び習近平政権のEV政策も破綻が顕著となり、これらの欺瞞的政策が世界の消費者の目にも気付かれる状態となった。他方、我が国では依然として上記に追随する政策を見直す様子が見られないことは痛恨の極みである。
エコ政策と国家経済に関する検討
現状の地球温暖化はミランコヴィッチ・サイクルの影響大と推定され、人類活動での解決は困難に見える。他方、エコブームは一国の存亡にも関わる多くの問題を含んでいる。ドイツ等のエコ政策はロシアのウクライナ侵攻で崩れ去り、今後の経済成長は絶望的状況となった。他方、経済成長を続ける中国と米国はヨーロッパ並みのエコ政策には少なくとも熱心ではない。二酸化炭素排出量では米中を大きく下回る日本がヨーロッパ追従のエコ政策に加わることが賢明な政策であるか否かは国家百年の計を誤らぬ様より慎重であるべきであろう。
嘘と間違いに満ちた電池車への警鐘
電池車EVは主に火力発電所から送られる電力を使うので発電所から車載モーター迄の諸損失を考慮する必要がある。更にEVでは希少資源の浪費も大きな問題である。発電所から車載モーター迄の各段階の効率は高めに見積もって表1の通りである。EVの等価熱効率はそれらの積ηtot≦0.28となり日本車のアトキンソンサイクル機関の熱効率ηat≦0.38より大幅に劣る。即ち電池車とは燃料と希少資源を浪費し環境負荷を増し消費者に高額の負担を求める製品であり日本勢に技術で叶わぬ外国勢の日本車潰しのための詐欺的車である。
愚かで嘘に満ちたドイツのロシア頼みのエネルギー政策とそれを真似る日本の政策
ドイツの所謂エネルギー大変革が高価で不安定な再エネ電力を「貯水池なき水道」状態で消費者に押しつけ、その埋合せをロシア産天然ガス発電に頼った結果、ロシアのウクライナ侵略を招いた。この結果、電力と燃料の極端な値上がりを招き産業用で前年の1.87倍、家庭用も日本の3倍近い電力料金となりガス料金も図1に示すように侵攻前の約3倍、東京ガスの約2倍となり産業も個人生活も壊滅的状況である。また発電所から見た等価熱効率が低く環境負荷の大きい電池車を日本車叩きのために嘘の宣伝で広め、日本はその猿真似をしている。
地球温暖化問題に関する客観的議論の必要性
地球温暖化問題は今や科学的議論の対象ではなく政治思想や一種の宗教となっており、冷静かつ客観的議論が求められる。旧東独系「緑」運動が世界を支配している現在、持続可能な文明を保つための冷静な議論と環境政策が必要なことを痛感する。米仏及び他のEU圏と日本でも原子力政策等を巡って独政権との齟齬が既に顕在化している。
ドイツ前及び現政権のエネルギー政策に関する問題点
独前及び現政権の客観的問題点を無視したエネルギー政策が石炭のLNGによる事実上の代替えであったため、ウクライナ問題のために我が国のLNG輸入分をEUへ廻せという迷惑千万な圧力も詰まるところ独政府の誤った政策のツケ廻しといえよう。独新政権の朝令暮改的な電気自動車政策も動力源の天然ガス移行に過ぎないことが明白である。
世界のエネルギーと環境問題
ウクライナ問題に関連してドイツ等EU諸国のエネルギー問題の脆弱性と矛盾点が明らかになった。独政権が進めた原子力と石炭火力削減強行と再エネ重視はそれに不可欠な石炭を実質的にロシア産LNGで置換したに過ぎず政権交代後も電力料金大幅値上げ等の矛盾と問題が山積している。
我が国の最先端発電技術
我が国の最先端発電技術であるUSC、A-USC、IGCC及びIGFCとCO2 回収・貯留(CCS)について調査した。これらの優れた技術で石炭発電熱効率は50%に迫り、且つCO2排出削減技術開発が実行段階に近付いており対環境性の大幅改善が近い。従って、新鋭火力発電に対する批判は当たらない。
HV及びEV用電池技術の現状
HV及びEV用とされるLi-Ion等の電池技術の現状について調査し、併せて最先端技術の動向を展示会場での展示・公演会等で研修した。エネルギー効率、充電時間、自己放電、寿命等で問題山積でHV及びEVが真に有用となるための課題はそれらの解決とSuper Capacitor技術が不可欠と判明した。
ドイツと我が国の自動車技術と環境政策等
前年に続きドイツと我が国の自動車技術と環境政策等について調査を行った。特にEV及び発電技術の現状について調査した。独国内でEVの主たる動力源となる旧式褐炭火力の電力が送電、交直変換、2次電池の充放電損及び直交変換で減損する結果、EVの等価熱効率と環境性能は大幅に低下するのでHV技術等の優位性が明白となった。
2019年度活動実勢報告提出済
2019年度活動実勢報告提出済
2018年度活動実勢報告提出済
2018年度活動実勢報告提出済
ドイツのエネルギー大転換
世界が注視するドイツのエネルギー大転換(Energiewende)政策の動向と問題を調査中である。一説では共産主義革命または毛沢東政権の「大躍進」政策に例えられる本政策は現状分析が不十分で産業構造と社会インフラ破壊の可能性、危険性を有し、最近(今冬)の悲劇的状況は自然エネルギーに頼る危険性を明白に示した。
電力及びガス自由化について
昨年の電力自由化に続く本年4月からのガス自由化について事業者毎の事業展開と料金体系等を調査検討した。特に関東地区では東京ガス及び東京電力両社の電気とガス事業への大規模な相互参入が見られ今後の産業構造と市民生活に大きな影響をもたらすと予想される。これらの調査結果は地域住人との会合等で説明した。