登録年度 | 1996年度 |
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氏名 | 吉野 節己 (ヨシノ セツミ) |
部門 | 事業者 |
性別 | 男 |
年代 | 60代 |
専門分野 | 資源・エネルギー、公害・化学物質、3R |
主な活動地域 | 岐阜県大垣市 |
主な経歴 | 昭和61年より化学工場の環境部門を担当。他社からの原料回収精製業、業務用洗剤開発を兼任する。環境カウンセラー登録後、放送大学大学院「環境システム科学」学術修士。山形大学大学院理工学部「技術経営学」工学博士。平成25年7月より取締役工場長。 |
特記事項 | 公害防止管理者。産業廃棄物施設技術管理者。エネルギー管理士。作業環境測定士。職業訓練指導員(化学分析)。品質管理責任者。工学博士(技術経営学) |
活動の紹介
硝酸ナトリウムを含む洗浄水の漏出の説明 同席
近隣の企業が硝酸ナトリウムを含む洗浄水を漏出させたと報告があった。説明に訪問するので、同席して説明を聞いた。硝酸ナトリウムを含む洗浄水を排水処理に送る配管から漏れた。漏れた位置の部分が土壌であったので地下浸透の可能性がある。溶出量も把握されて、周りの観測用井戸からも検出されてない報告をもらった。
新規副生原料の有価物としての総合判定の指導
廃棄物をそのまま利用するには再生利用申請が必要である。価格やリサイクルの名目で廃棄物を偽装することは許されない。副生原料を廃棄物と疑われない、有価物として総合判定を説明し、リサイクル原料として取引できるよう指導した。
事例に基づき総合判定の記録を残した。
晶析工程の母液のリサイクルについて
冷却晶析工程は、結晶化して純度の良い化成品を生産することができる。反面、未反応の液が廃棄される。余剰液を母液としてリサイクルすることは、廃棄物の削減と濃縮した不純物を効率的に除く手法であることを説明した。
硫酸を含む副生原料(水溶液)の説明
件の副生原料は、有価物であり廃棄物ではないが、3~5%の硫酸が遊離している。硫酸は劇物であり有害物であるが、10%以下が除外濃度であり取り扱うことができる。もちろん取り扱いには硫酸が含まれている有害性を説明する必要がある。SDSも用意し、強酸性と腐食性について取り扱いのリスクを説明した。
リサイクルの副生原料(溶液)の運搬中止について
リサイクルの副生原料(水溶液)を運搬している産業廃棄物収集運搬業者が県の許可証が更新できず廃業を連絡してきた。廃棄物処理法違反でなく、3期連続の赤字決算による欠格事由であった。リサイクルの副生原料は廃棄物ではないが本業が続けられないため廃業となった。
特定設備の届け出と更新について
化学工場の特定設備を届け出ているが、設置時の大型機械から処理能力は同等でも移動できる小型の機会に更新されている。稼働していなくとも取り外していない設備が届けられているなどが確認された。また、当時の紙媒体の届け出が、更新されていなかったりしている。事故やトラブルが起きる前に、整理することとした。
工場排水の大腸菌類の基準値オーバーの件について
12月1日に県より立ち入り検査が入った。その際、工場排水から大腸菌類のオーバーが指摘された。工場排水は、基本的には地下水からの冷却水でBODなどの汚濁物質も少なく大腸菌類の汚染はないと思われた。排水路に小動物や糞などもなく、再検水をしたが大きく基準値を下回った。担当者に聞き取りから、一般の排水項目と同じに採取して菌の増殖等について配慮が足らず1晩放置されていたのが原因と推定された。
硫酸を含む無機塩の溶液の取扱いと注意事項の安全教育
4%程度の硫酸を含む無機塩の取扱い(タンクローリー運搬業務)で坊液堤ないであるが、溶出事故を起こした。幸いケガや外部への漏洩もない些細な出来事であったが、取扱者への安全教育が必要とのことで依頼された。
硫酸の劇物除外濃度は10%であり、廃棄物でもないので法的な制約は少ない。しかし、乾いて濃縮したり、長時間接触することで腐食や有害性もあるため、事例を含めて取扱いをSDSや工場安全規定に基づいて指導した。
粉塵装置からの水漏れ、工場外の側溝に流れる。
湿式粉塵装置からの水漏れが工場の外壁を伝わって流れた。近隣の住民から指摘があり、水は井水と同じで無害であったため、雨水と一緒に雨樋から側溝に流していた。事情を相談され、一時的で無害であっても構内で発生した水であるので、構内の環境処理施設へ導入することとした。
大垣市「家庭系ごみの有料指定ごみ袋制度」
大垣市は、生活様式の多様化などにより、人口が減少する一方で、ごみの排出量は増加傾向にある。市は、ごみの減量化を進めるため、現在の一定量は家庭ごみの無料ごみシール配布から、家庭ごみの有料指定ごみ袋方式を導入する。これは、家庭ごみの有料化で家計を圧迫し、違法投棄など増えないか、必ずしもごみの減量化につながらないかなどが問題となった。
岐阜市のプラスチック回収事例を学ぶ
岐阜市は、ゴミの6割を占めるプラスチック容器を別途回収する計画がある。市会議員、市民団体と同行して岐阜市の計画を学んだ。
大垣市の一般廃棄物、有料化に問題
大垣市の一般廃棄物処理は、一定数まで無料で収集している。ゴミの増加負担を抑えるため有料化の計画がある。市会議より一般廃棄物の勉強会を依頼された。
食添石膏設備の湿式スクラバ装置の排水
食添石膏設備の粉塵を吸収する湿式スクラバが老朽化して水漏れを起こしている。排水は、有害ではないが好ましくない。コロナ禍で工事が進まないが、近隣に説明と補修を急ぐようじ
クエン酸鉄の精製の副生硫酸ナトリウムの結晶化による資源化
硫酸ナトリウムは、冷却晶析で資源化できる。品質規格を守り有価物として原料化できるよう指導した。
食添石膏の乾燥設備補修時、アスベスト含有調査
乾燥設備補修時に、保温剤にアスベスト使用が疑われる。設備時期が昭和45年当時であり、安心のためにも調査が必要なことを説明した。
天然石膏の切り替え
食添石膏は、海外の天然石膏が安く利用させてきた。食添規格もきびしくなり、コロナ禍で海外からの船便も高騰している。天然石膏を鉛リスクのない国産石膏に切り替えりこととした。
副生原料の供給
コロナ禍で排出する副生原料が滞っている。ある程度コストを犠牲にして、製法比率を変更して対応するよう指導する。
隣接した土地の盛土問題
隣接した土地に盛土が高くされ、迷惑していると相談があった。建設残土の盛土と思われたが、現地確認をしたところ、建設業者の土地である。看板もあり設備等置き場になっている。土地の許可等であり弁護士が担当することになった。
ボイラー蒸気のエネルギーロス
コロナ禍で稼働率が下がり、非稼働時の熱ロスが大きく負担となった。非稼働時の負荷変動調査でメーターと停止方法を検討した。ボイラーの完全停止や手動操作変動は法律上問題があるため、非稼働時のタイマー設定負荷でロスの一部を節約した。
アスベスト
改修工事のため建屋にアスベストの恐れがないか。アスベストの基本的な問題と事例を説明する。
冷却晶析による有価物(無機化合物塩)の回収
溶解度を利用した冷却晶析は、純度の高い無機塩の回収に有効である。興行的に回収率、純度を効率よく上げるため、粒子を成長させる温度コントロールと種晶の関係を改善企画した。
木質ボイラーの検討 木質チップと薪について
持続再生可能なエネルギーとして木質が考えられる。間伐材や森林保護のための薪、木質パレット等の廃棄物などを効率よく燃焼してエネルギーの回収ができないか、高圧蒸気、蒸気、温水ボイラーで検討した。
廃プラの処理方法 工業用フレコンの処分
廃プラの処分が滞り気味である。原因は中国のリサイクル需要が減ったためと思われる。容器包装と異なり、化学品のフレキシブルコンテナは、残留物や材質(塩ビ)で埋め立て以外のリサイクルが難しい。
フィリピンのプラスチックリサイクルの方法についての相談
フィリピンで事業をする友人が、ごみのリサイクルについて事業化できないかの相談。日本と法律も異なるため、廃棄物の焼却処理より、RPF等のエネルギー回収を検討してみる。
N化学の土壌汚染対策 土壌の入れ替えについて
市会議員S氏からの要請でN化学工場の土壌汚染対策についての相談つづき、数回のリスクコミュニケーションにより企業側の土壌入れ替え策を納得され、工事に対する意識も変化したと思われる。
O市下水道課との特定工場の水質検査についての協議
O市下水道課との特定工場の水質検査についての協議。特定工場の水質検査は自主測定であるが、昨今の分析精度から外部機関の計量を採用する件について協議した。
N化学のKN地区のリスクコミニュケーションについて
N化学のk地区と同様、KN地区のリスクコミニュケーションについての内容を掘り下げて話を聞きカウンセリングした。特に発生元であり、水銀の由来についての内容があった。
N化学のk地区のリスクコミニュケーションについて
N化学のk地区のリスクコミニュケーションについての内容を掘り下げて話を聞きカウンセリングした。
リスクコミニュケーションについての勉強会
リスクコミニュケーションについて誤解している。合意を取り付ける住民説明会でなく、企業責任を追及する場ではない。今回は、土壌汚染をの情報公開と相互理解の場であることを説明。
副生原料の廃棄物総合判定について
現在、副生する原料を中間処理して後、有価物として使用している。副生原料を分離、成分調節することで、非劇物化する。また有価物として廃棄物総合判定する事をカウンセリングした。
製造業の省エネルギー関係の補助金とEMSについて
製造業の設備はエネルギー消費が大きく削減の効果が大きい。半面、用途がわかりにくく補助金などの対象になりにくい。EMSによってエネルギー等の把握が効果や実績となり補助の認定にも有効である。
土壌汚染調査のデーターについて
ガソリンスタンドの跡地を倉庫として購入の際、土壌汚染データを提示されて見方に関する相談。有害物の存在は、実質的な被害のない値であっても恐れや転売の際には不利に働くこともあることも説明する。
エコアクション21環境負荷の把握について
対象が化学工場であるため環境負荷の把握が簡易なチェックシートでは難しい。原料中の水分の大きいこと。ボイラーの割り当てなど主流の原から大きく把握するように指導する。
エコアクション21認証準備活動
エコアクション21の認証取得を目指している。簡易な手引書を丸写しして行き詰まっている。環境側面も環境負荷もチェックシートをすべて採用するのではなく、自己の把握を目的として取り組むことを指導する。