登録年度 | 1996年度 |
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氏名 | 井上 祥一郎 (イノウエ ショウイチロウ) |
部門 | 事業者 |
性別 | 男 |
年代 | 80代 |
専門分野 | 水質、廃棄物、土壌・地下水、環境アセスメント、森林保護、地球環境問題、環境全般、その他 |
主な活動地域 | 愛知県名古屋市 |
主な経歴 | 昭和48年1月から平成元年12月迄伊藤忠林業(株)、生活環境保全林計画、熱帯林開発、汚水処理計画(土壌浄化法、複合ラグーン法)、環境影響評価等担当。環境技術エンジニアリング(株)を経て、現在(株)エステム技術顧問、(株)名邦テクノ技術本部長を兼務。汚水の脱室、嫌気性底泥改善、安定し堆肥発酵等を指導。2010年より矢作川流域圏懇談会に市民部会副座長(海部会長)として参画 |
特記事項 | 技術士(林業、水道、衛生工学、農業、水産、建設、環境、応用理学)8部門登録。NPO法人愛知環境カウンセラー協会顧問。信州大学教育学部非常勤講師。2018年4月「オモシロ技術情報資料室」を設立。日本技術士会の月刊誌「PE」2018年8月号の「PEインタビュー」に登壇 |
活動の紹介
生態系サービス利用の経験技術と進化視点の新しい技術観
日本技術士会全国大会が名古屋で開催され、第2分科会【エネルギー・環境】で、話題提供を行った。大きなテーマではあるが、修得した生態系サービスを利用する技術は有効性を維持している。一方、自己研鑽による新たな知見は、エネルギー・環境の双方にミッシングリンク存在を解消できる可能性が高い。これらの事例を全国から参加した技術士に伝えた。公益確保の責務を果たせる視点で理解を求めた。
豊かな湖沼の復活に向けた”自他体連携”
湖沼の豊かさの喪失を危惧する自治体が2018年の茨城県での世界湖沼会議の場で”自治体連携”を設立した。しかし、今日現在、全く進展がない。月1回、十数人の技術士がWebで話題提供を行う活動が続いている。技術士として流域環境修復を専門にしているところから、表記の話題提供を行った。活動拠点を島根、滋賀、名古屋、長野に確保しているので、多様な関係者との人間関係を構築している面も伝えた。
生涯技術士を目指して
生態系サービス技術の汚水浄化、ヘドロの再生、たい肥化等の技術実績と、これまで自己研鑽してきた新たな知見を、多様な立場の仲間と共有してきた。自己研鑽の場は「オモシロ技術情報資料室”と名付け、月1回の勉強会を通して情報収集と情報発信活動を紹介した。エネルギー、環境問題の解決策について情報の祖少なさが、市民に必要な知見不足にあるとの思いを参加者に具体的に伝えた。
技術にタブーはあるか?
技術者として有用と評価できる技術がしばしば社会から軽視、或いは無視されるケースがある。事例をエネルギーでは小型原子炉のトリウム熔融塩炉と4s炉、シカ等の獣害対策として上位種、具体的にはオオカミの再導入について、鋭意、情報を収集し、市民、識者等と議論を定期的に重ねている。これらの取り扱いが”タブー視”されている現状に対しての問題提起を行った
生命・環境関連部門登録と習得技術
日本技術士会中部本部内に、新たに生命・環境関連部会が立ち上がることになった。演者の技術士登録部門が、森林、上下水道、衛生工学、農業、水産、建設、環境、応用理学の8部門にわたるところから、生命・環境の保全に寄与する生態系サービス技術についての知見を紹介した。
技術にタブーはあるのか
自動車の車体を電線代わりに使うことは知られているが、音響技術者が銀線で代用したところ、燃費の上昇、燃えカスの減少、排気ガスの浄化が同時に起きたことから特許を取得した。ところが自動車業界からのクレームで特許が取り消された。この事例を基に、環境に良い技術が不当な扱いを受けることがあるが、技術者論理の立場からは好ましくない。技術者は予防倫理と合わせ、志向倫理で公益確保の責務を果たす時代になる。
諏訪湖とクリーンレイク諏訪の協働から地域連携へ
国土交通省は「下水道の市民科学」を推進中で、諏訪湖は「みどりのペンキを流したような」という時代から泳げる諏訪湖に変わった。しかし、下水道システムについてはペンキの時代は自分ごとであったが、現在は他人ごと化している。再度自分ごと化にするには、下水処理の高度処理水を湖内に流すことが諏訪湖の豊かさに寄与することを市民活動で確かめることも一法である。緩速ろ過法を改善した生物浄化法の簡易試験の実践を提案する
家畜糞尿と地球温暖化防止
家畜糞尿の処理に対する適正技術は、単に機銃をクリアするだけではなく、地球温暖化に対する配慮として、エネルギーの最小化が必要である。尿汚水処理における複合ラグーン法はDO制御により必要以上のエネルギー消費をしない。たい肥化技術の吸引・送気微生物発酵法は、四季に関わりなく易分解性の有機物分解が進み、たい肥の供給は有機農業に利用され、炭素の地中隔離に繋がり、温暖化対策に貢献している。
2021年度活動実績等報告書提出済
2021年度活動実績等報告書提出済
豊かな湖つくりと自治体連携に伴う市民活動連携
3年前の世界湖沼会議の折、茨城、長野、滋賀、鳥取、島根の5県の知事による、豊かな湖を取り戻す自治体連携の設立が宣言された。3年間が経過しているがコロナ禍も影響し具体的な進展が表面には出てきていない。これに対し、諏訪湖、琵琶湖、宍道湖・中海の市民団体の連携による提案を模索している。
矢作川流域圏における流域環境のあり方
矢作川流域圏懇談会には、山部会、川部会、海部会、市民部会がある。市民部会の副座長、海部会長として技術的な情報発信を行っている。海の貧栄養化によるアサリやノリ漁獲の減少に対して、窒素、リンの不足や、「水清くば魚棲まず」が言われるようになった。森川海の繋がりと健全な食物連鎖において、シリカと浅い水圏の透明度の重要性について、科学的な知見の紹介に努めている。
オモシロ技術情報資料室
科学的な知見がありながら、市民に情報が伝えられていない複数の技術事例がある。環境カウンセラーとしてこれらの技術情報は発信は責務と考えて上記資料室で、有識者と意見交換会を継続している。
「門外漢”トリウム熔融塩炉”を調べる ④」
島根県技術士会平成元年度研究発表会での活動である。毎年発表をしている。松江市内には10㎞の距離に原発が3基ある。廃炉が決まったものと、停止中及び完成まであと僅かの新設炉である。地元では市民団体が、原発を”自分事”としようという活動がある。このような環境下で原発に対する関心を技術士をはじめ、市民には持って欲しいと考えての技術論を展開している。
”どのような植物プランクトンが生態系ピラミッドを大きくするか?”
水圏では、植物プランクトンに始まる食物連鎖が生態系ピラミッド”で表される。しかし、カキを育てる植物プランクトンもいれば、殺す植物プランクトンもいる。前者の代表が”ケイ藻”で、後者の代表が”渦鞭毛藻”である。従って、ケイ藻が優占する流域環境を意識することが、豊かな食生活には必要であることを伝えることに注力した。
公演タイトル”私の技術士行脚”
一昨年の”月刊技術士”誌8月号の”PE インタビュー”欄で筆者の紹介記事が出た。”企業内技術士交流会”の第53回講演会で表記の演題で話すよう要請があり対応した。技術士経験論文の技術で顧問技術士活動をお叶っている。また、別に、珪藻優占、トリウム熔融塩炉、オオカミ再導入等で、技術市民活動を行っている。この両面活動について紹介した。技術市民活動については、国の指針に含まれないが、市民が判断に必要な事項について情報を収集し、発信することが、私の”公益確保”責務の活動と位置付けた。
「トランスサイエンス時代の私のCPD”オモシロ技術情報資料室”活動~畜産版~
畜産技術者にとって、農作物や森林の野生鳥獣被害は”他人事”であるが、野生イノシシ等が関わる感染症、”豚コレラ”や”口蹄疫”の発生を見ると”自分事になる。技術士の技術部門で、野生鳥獣の主たる分野は”環境”であるが、昨今の状態では、森林、農業に加え、農業部門の畜産科目にも関係する。これらの部門が提携して解決に当たる必要があり、中でも、日本畜産技術士会の所属技術士の役割が期待されているとの啓発を行った。
2018年度活動実勢報告提出済
2018年度活動実勢報告提出済
島根原発の地元島根で技術士は原発問題にどう向き合うか
松江市から10㎞足らずの所に島根原発がある。島根県技術士会の研究発表会個人の部で、第47回日韓技術士国際会議での報告も織り交ぜて、技術士会、島根大学、関係の研究所、中国電力等とエネルギーの有り方を論議する必要性を訴えた。地元の情報を意識的に多く取り込んで啓発を図った。
核分裂Energy受動安全技術への技術士の向き合い方
第47回日韓技術士国際会議における啓発活動。原発過酷事故を起こしたウラン軽水炉の他、トリウム熔融塩炉という安全性が高く、プルトニウムの消滅が図れるとされる原発技術がある。この技術情報が市民に届かないのは、地球環境にとって不利益だと思う。これまで4年間収集してきた情報を整理して発表した。韓国側は原発事故への危機感が日本よりはるかに強い。
森川海(湖)のつながり修復
日本陸水学会で研究発表 宍道湖協働活動、諏訪湖クラブ活動、矢作川流域圏懇談会活動、矢田川・庄内川サポートセンター等の活動を通じて、森里海の連携を模索している。ケイ酸を代表的な循環物質に置いた時の環境修復について提言
三河湾の復活に向けての技術提言
三河湾で貧栄養化問題が漁業関係者から提起されている。きれいな水から豊かな水への変換が「水清ければ魚棲まず」と学識経験者も発言するようになった。下水道の窒素リンの除去率を下げての対応も望まれている。しかし、かつては水産資源にも恵まれた澄んだ湖沼が普通であった。窒素・リンの供給だけでは、水圏の生態系ピラミッドは大きくならずケイ藻の優占する水環境について説いた。
宍道湖における活動報告
(公財)宍道湖・中海汽水湖研究所の研究支援員の立場で、宍道湖の水産資源の安定的維持管理についての活動報告。宍道湖漁協のシジミ漁業者の方が対象
「門外漢、原子力発電技術『トリウム熔融塩炉』を調べる②」
原発の一般的理解は「ウラン軽水炉」についてしかなく、東京電力福島第一発電所の過酷事故の後、反対、推進の二項対立が続いている。米オークリッジ国立研究所で実験炉まで成功裡に終わった「トリウム熔融塩炉」等、ウラン軽水炉より安全性・経済性が原理的に高い技術の存在を知った。エネルギー問題も市民参画が必要と言われ、そのための情報共有が不可欠とされる。技術情報の共有も例外ではない。
環境活動団体のリーダー
伊勢・三河湾流域ネットワーク 共同代表世話人、22世紀奈佐の浜プロジェクト愛知県代表委員、土岐川・庄内川サポートセンター理事、愛知・川の会共同代表、土岐川・庄内川流域ネットワーク会長として活動
森里海連携による生態系サービス機能の復元
森の健全な土壌を通して森里海の連携を復活させて、シジミ類に代表される生態系サービス機能を復元すること。宍道湖(宍道湖・中海汽水湖研究所の研究支援、諏訪湖(諏訪湖漁協、長野県関係部局との連携)、三河湾(矢作川流域圏懇談会海部会への参加)で活動中