登録年度 | 1997年度 |
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氏名 | 井上 祥一郎 (イノウエ ショウイチロウ) |
部門 | 市民 |
性別 | 男 |
年代 | 80代 |
専門分野 | 水質、廃棄物、土壌・地下水、環境アセスメント、森林保護、市民活動、地球環境問題、環境全般 |
主な活動地域 | 愛知県名古屋市 |
主な経歴 | 市民部門としての最近の主な履歴。1.愛知環境カウンセラー協会顧問。2.愛知・川の会委員。3.伊勢・三河湾流域ネットワークの共同代表。4.NPO法人土岐川・庄内川サポートセンター理事。5.NPO法人アイ環境研究所会員。平成22年度より矢作川流域圏懇談会市民会議副座長・海部会部会長、24年度より「22世紀奈佐の浜プロジェクト愛知代表委員を務める。 |
特記事項 | 1.国連研究大学院SGAに専門家として参加2.堀川に関する大学との協働活動に参加3.長野県上伊那郡南箕輪村に活動拠点「流域環境修復実学 天竜川流域処」を開設 |
活動の紹介
太陽と草木が創る土がいのちをつなぐ湧水を産む
内容は2で示したことと類似する。但し、ここではシカの捕食者導入策を無視する非科学性も問いかけた
三河湾のアサリは今
三河湾の重要な水産物であるアサリの漁獲減少が著しい。この背景を、森林、農業、水産部門の技術士の立場から解説し、対応案を示した。特に、水清ければ魚棲まずは誤った印象を市民に与えるので注意が必要と指摘した。藻類にとって光はご飯であり、濁った水域では光合成が低下する。澄んで栄養塩類の高い水が湧水である。湧水量の減少は、雨水の土壌浸透がカギを握る。土壌環境の整備ではこれまで間違った方策が行われている。
注目の小型原子炉
エネルギー問題に関して、小型の安全炉の情報が不足している。具体的なトリウム熔融塩炉と4S炉についての解説と、地球宇宙の放射線の影響についての余りマスコミもとりあげない科学的な知見を紹介した
三河湾のアサリは今
2008年に16000トン採れた三河湾のアサリが激減している。餌不足、つまり海の栄養が少なくなったので、下水処理場から窒素とリンを出して欲しいとの漁業者の声で施策が始まっている。近くに汽水湖の油が淵があるが、かつてはヤマトシジミを始め豊かな魚介類を産した。この時代には湧水量が多かった。海底湧水の調査からは湧水が豊かさを持続させている。それに倣って油が淵流域の林野、農地の土を育てることからの再出発を奨めた。
注目の小型原子炉
企画した団体の若手会員の要望でこのテーマになったと聞く。核分裂エネルギーは地球の地熱が崩壊熱によっても維持されていることから、山火事から火を知り利用するようになったのと同じと考えるというところからスタートした。炉の種類は、市販書で読むことができる「トリウム熔融塩炉」と「4s炉」。両炉がなぜ原理的に安全かを説明した。年配の方が多く、簡易な説明を心掛けた。
技術にタブーはあるか?
実際の活動日は2022年2月11日中部ESD拠点2022SDGsフォーラム(前回報告には入れていない)小型原子炉について情報提供。オモシロ技術情報資料室活動の報告で、トリウム熔融塩炉と4s炉を紹介。技術者として市販の関係書から啓発された内容を報告。環境に関心のある者の集まりで、原子力には否定的だと思っていたが、発表者間で関心を持った話題提供として複数の方からノミネートを受けた。
豊かな湖つくりと自治体連携に伴う市民活動連携
茨城、長野、滋賀、鳥取、島根5県の知事が「湖沼水環境保全に関する自治体連携」を2018年の世界湖沼会議の日程の中で設立。諏訪湖クラブの会員として、これに呼応する琵琶湖と宍道湖・中海で活動する市民団体連携を模索。「市民科学的な技術情報」の共有を手段として採用予定。
矢作川流域圏における流域環境のあり方
国交省豊橋河川事務所による「矢作川流域圏懇談会」が10年の歴史を刻んだ。山部会、川部会、海部会、市民部会があり、海部会と市民部会に参加。流域をつなぐ健全な食物連鎖維持には、窒素、リンに加えシリカが重要との技術情報の発信を続けている。
オモシロ技術情報資料室
核分裂エネルギー、シカ害対策、豊かな水圏づくり等の分野で、市民に伝えるべき技術情報を複数例収集している。これらの情報を、所謂多様な有識者間で議論し、発信していこうという趣旨で、ファシリテーターを務めている。
オオカミとこれからどう付き合うか『オオカミのトリセツ』
対象は活動実績(1)の市民グループである。”トリウム熔融塩炉”の勉強会を2ヵ月に1度のペースで続けているが、目先を変えて周辺の仲間にも他の話を聞かせたいと企画されたものである。東海地方では豚の豚コレラと、その感染に野生のイノシシが関わることが市民の間にも知らている。オオカミはイノシシの捕食者であり、感染したが発症していない段階で捕食すると、感染はその個体で留まるとされるので、その知見を中心にして情報提供した。また、市民グループが人形劇で古いオオカミ感を見直す演出をして公演した。
トランスサイエンス時代の 続 環境復元活動
”自然を親しむ会”という教師経験者の集まりでの話題提供である。日本では、大型草食動物の捕食者であるオオカミを完全に駆除した。それから約百年が経って、特に、シカによる種々の食害が年々激しくなっている。対策は”ジビエ”利用が言われるが、最近の海外の事例で、捕食者の再導入も効果を上げている。書籍としても”捕食者なき世界””セレンゲティ・ルール”等優れた啓発書が発刊されている。これらを参考にして、生物多様性、食物連鎖、自然の恵みの改めての視点について情報提供をした。
市民の原子力発電判断のための技術情 報”ウラン軽水炉”対”?炉”
第5次エネルギー基本計画に”溶融塩炉”の名称が初めて記載された。過酷事故を起こした”ウラン軽水炉”とは、技術内容が全く異なる形式の核分裂技術である。この炉についてマスコミでも取り上げられることはほとんど無い。かつては、西堀榮三郎他多くの原子力技術者が実現に期待を寄せた。環境カウンセラーとしてこの炉について予てから、情報収集をしていたので、原発反対活動グループの方達に、プルトニウムを消しながら、且つプルトニウムを殆ど作り出さない原子炉の存在とその技術的な特徴を紹介した。
島根原発の地元島根で技術士は原発問題にどう向き合うか
松江市から10㎞足らずの所に島根原発がある。島根県技術士会の研究発表個人の部で、第47回日韓技術士国際会議での報告も織り交ぜて、技術士会、島根大学、中国電力等の関係者でエネルギーの有り方を議論する必要性も訴えた。
島根県には多様な原発関連資料もありながら、議論は進んでいない。反対賛成の二項対立だけでは事態は悪い方にしか動かないことを伝えた。
核分裂エネルギー受動安全技術への技術士の向き合い方
第47回日韓技術士国際会議における啓発活動。過酷事故を起こしたことでウラン軽水炉の安全性は否定されたが、これに代わるエネルギーについては議論が深まっていない。トリウム熔融塩炉の技術情報を4年間収集し、その技術情報の発信を行った。市民にこの情報が届くことで、将来のエネルギーを考える視野が広がる可能性がある。韓国側技術士の危機感は日本より数倍大きい。
森川海(湖)のつながり
日本陸水学会田沢湖大会で研究発表。ケイ酸をこれまで着目されてこなかった重要な循環物質として、啓発的な発表を意識した。植物プランクトン、クロロフィルaには、餌としての価値の高いものと低いものの区別ができていない。餌としての価値が大きいケイ藻が優占して初めて生態系ピラミッドは大きくなる。日常の啓発活動の紹介も挟んで意見具申。
三河湾の復活に向けての技術提言
三河湾の貧栄養化について漁業関係者から問題提起。リンの除去率を下げる下水道施設の新聞報道あり。富栄養化対策として窒素・リンの削減をしてきたが、豊な水圏は戻らず。水産系新聞記事に、学識経験者の「水清ければ魚棲まず」の活字があった。窒素・リンを負荷することで豊かな水圏が戻るとは思えないし、かつては豊かで澄んだ所が多かった。シリカ(ケイ酸・ケイ素)とケイ藻に着目
宍道湖における活動報告
(公財)宍道湖・中海汽水湖研究所の研究支援員として、宍道湖の水産資源、特にヤマトシジミの安定的漁獲維持方策についての研究活動報告。シジミ漁師さんが対象
多様な主体との協働実験 —地域資源を生かす豊かさの実現に向けて-
演者は信州大学農学部林学科造林学研究室で間伐後の林分成長を卒論にしたが、社会に出て技術者として経験を積んだ結果、「流域環境修復実学」がライフワークになった。間伐材から造材した10cm角3m材を多用(600本/10坪)して、自身の活動拠点である小屋を宍道湖西岸に作らせて貰い、月に2回程度、1週間から10日程滞在し自己研鑽に勤しんでいる。
マシジミに関する研修会
これまで閉鎖系水域の富栄養化の対策として、窒素、リンの削減に重点が置かれてきました。私もそれに寄与する水質浄化の経験を積んできました。しかし、豊かな水圏は戻っていないことを考え、健全な食物連鎖の復活にはケイ酸の相対的な不足解消が必要との認識に至りました。目指すところは森里湖をつなぐ、流域ぐるみのケイ酸供給法です。シジミ類の餌にはケイ藻が最も優れています。
原発業界では反対派・推進派とも「トリウム熔融塩炉はタブー?」~門外漢の疑問~
ウラン軽水炉に限定して「原発」とする原子力関係者には、「トリウム熔融塩炉タブー」があるのではないかとの疑念が生まれました。原理的に安全で、経済性に優れた核分裂エネルギー炉は、核エネルギー技術そのものを否定する原発反対者にとっても、ウラン炉しかないと国民に思わせてきた推進者にとっても、トリウム熔融塩炉は隠すべき技術情報であったのか?出版物からの情報を整理して啓発しました。
「原発業界では反対派・推進派とも『トリウム熔融塩炉はタブー?』 -門外漢の疑問-」
ウラン軽水炉に限定して「原発」とする原子力関係者には、「トリウム熔融塩炉タブー」があるのではないかとの疑念が生まれました。原理的に安全で、経済性に優れた核分裂エネルギー炉は、核エネルギー技術そのものを否定する原発反対者にとっても、ウラン炉しかないと国民に思わせてきた推進者にとっても、トリウム熔融塩炉は隠すべき技術情報であったのか?出版物からの情報を整理して啓発しました。