登録年度 | 1998年度 |
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氏名 | 有賀 一郎 (アリガ イチロウ) |
部門 | 事業者 |
性別 | 男 |
年代 | 70代 |
専門分野 | 自然への愛着、生態系・生物多様性、地球温暖化 |
主な活動地域 | 神奈川県横浜市 |
主な経歴 | 神奈川県生、青山学院中高卒、東京農大造園卒、サンコーコンサル地域環境部長を経て技師長、8年間東京ディズニーランド出向。板橋サンシティにて約50年間の住民参加森づくり指導。認定NPO自然環境復元協・NPO 横浜水研・神奈川樹木医会・千年の森実行委員会等にて自然環境保全回復の活動。 |
特記事項 | 東京農大客員教授・技術士(建設)・樹木医・環境再生医(上級)・環境教育インストラクター・街路樹診断士・公園管理運営士・RLA・RCCM・一級造園施工管理士。樹木医学会元副会長・かながわ樹木医会会長。農大造園大賞・緑の都市賞総理大臣賞・CLA協最優秀賞、造園学会賞等。 |
活動の紹介
グリーンボランティア世話人会・環境部会等で樹林の解説
21世紀に向けてサンシティの緑の資産を、「末永く未来まで変わらずに残し伝えて行くこと」を目的として、「高品質で低価格な永続する緑の管理方法」を確立するための検討を行います。そしてこの「住民による住民のための緑の管理作業」は、緑のコミニティづくりとして住民の皆様の合意を得た上で、サンシティ グリーンボランティアの協力のもと環境専門部会が実施します。
日影山イヌツゲ樹勢回復
住宅地の個人邸のイヌツゲが葉が白くなり衰弱しているので診てほしいとカウンセリングを依頼された。現地調査とヒアリング及び病害部をサンプリング観察で想定した被害と処置を決め報告した。原因はチビコブハダニ、被害葉は点状に色が抜けて白っぽくなる。多発すると葉色が悪くなり、美観を損なう。体長0.5ミリの赤褐色のダニで、5〜6月と9〜10月に2回多発する。建物の陰など雨のかかりにくい場所で多発する傾向がある。イヌツゲの上空には玄関の庇がありハダニ被害が大きくなったと思われる。後日樹勢回復処置を行いすでに回復済み。
谷中のヒマラヤスギ保全対策
谷中のヒマラヤスギは、道路その他の公共の場所からよく見えてランドマークになっている。特徴は、樹木の姿が、地域の良好な景観の形成に重要な存在である。しかし現在は強剪定され痛々しい。樹木は、地域の人々に親しまれ、シンボルで、樹齢は、約90歳~100歳。台東区の保護樹木でもあり、谷中の名所である。この樹木が伐採されることになり、保全するため生育する土地を購入した個人から、樹木に対するカウンセリングを依頼された。
樹木医学会現地検討会講師
樹木医学会が神奈川県藤沢日大にて開催された。この時最週日に現地検討会「江の島・鎌倉」が開催され、一般社団法人日本樹木医会神奈川県支部が全面的にバックアップした。支部では、準備委員会立ち上げ、数回にわたり委員会を開催し内容を検討した。有賀は鎌倉、鶴岡八幡大イチョウの解説講師を担当した。倒伏した時の様子や写真、またほかのイチョウや大木の倒伏事例など数例を説明し、比較し、原因やその後の治療などを説明し、現在の状況などを見学した。
東京都街路樹診断講習会
街路樹診断は、樹木の育成や維持管理の方向を決定し、倒木事故などを未然に防ぐリスクマネジメントでもある。街路樹診断は樹木の外観を目視と診断用具によって診断するが外観診断と、外観からはわからない樹木内部の腐朽を計測する機器診断に分かれ、高い専門知識と経験に基づく技術が求められる。東京都では1998年度に街路樹診断を事業化し、マニュアルは何度か改訂してきた。街路樹診断マニュアルの改訂を実施し、私はその主任技師として取りまとめ、東京都主催の街路樹診断講習会のWEBによる講師をした。
板橋サンシティ「緑のシンポジウム」基調講演
集合住宅地サンシティの住民による樹林の維持管理に関するカウンセリングは47年ほど継続中。建設中は住民参加の入居記念植樹祭やワークショップ形式の広場づくりを。10周年記念には緑地の改修を住民と共に行い、ボランティア組織を立ち上げ。住民による緑地維持管理活動は約30年を経た。高齢者を活用したボランティアは超高齢化し、樹木も大径木化し、維持管理が難しくなってきた。そこで今後どのように緑を守るのか住民に問うため「緑のシンポジウム」を開催した。有賀は基調講演。
板橋サンシティ御神木スダジイに関するカウンセリング
スダジイは江戸時代から大切にされてきた地域のシンボルで、サンシティ建設のシンボルとして受け継がれ、竣工後住民による機関紙のシンボルとして表紙を飾り、住民ボランティアの維持管理で、保全を継続。しかし250年を経た老木にとって、問題が発生。カシナガキクイムシによるナラ枯れ被害とシイサルノコシカケによる腐朽及び枝枯れである。ナラ枯れ被害は何も対策をしなければカシナガキクイムシに総攻撃された場合、1年で枯死する可能性があり、今回樹幹注入で対応し、管理組合とグリーンボランティアに樹勢回復に向けたカウンセリングをした。
板橋サンシティ樹林管理に関するカウンセリング
人口8000人の集合住宅地サンシティの住民による樹林の維持管理に関するカウンセリングは47年ほど継続中。建設中(1978)においては住民参加の入居記念植樹祭やワークショップ形式の広場づくりを。10周年記念事業(1990)として緑地の改修を住民と共に行う。この時「緑の会」が結成、現在の「グリーンボランティア」に発展(1997)。住民による緑地維持管理活動は現在23年目をむかえた。40年程前入居記念に自ら植えた樹木は巨大化し、問題が山積である。住民の手で伐採更新しているがそのカウンセリングを継続中。
NPOおおさか緑と樹木の診断協会講演会「アーバンフォレスト:サンシティ樹林の保全活動50年」講師
サンシティは、高層住棟が樹海の中にそびえ立つ12,4ha、6200人の集合住宅地だ。樹々はこの町と共に加齢し樹海となった。この樹海の世話(ケア)をするのは、ボランティアだ。私はここでコンサルタントを40年間継続してきた。この樹海は、入居記念の植樹祭で苗木を植えたもので、本来の自然な樹木ではない。しかし武蔵野林の再生を目的としたため、郊外にある雑木林と樹種構成はほとんど同じである。しかし、50年を経て巨木化し、維持管理が容易にできなくなった。その問題の解決のため、シンポジウムの準備中である。
邸ソメイヨシノ健康診断のカウンセリング
○○邸には、亡くなった主人が大切に育てていた樹齢50齢ほどのサクラ(ソメイヨシノ)があり、大切にしており、今後も残したい。しかし根元にキノコが生えたり腐朽しているところがあり、健康状態が心配であり、サクラの健康診断をしてほしいとのこと。○○の会の○○氏とともに伺い、樹木診断を実施した。樹木診断では、外観を観察して診断する外観診断と、計測機器を使用して樹体内の腐朽空洞を計測する機器診断を行った。その結果致命的な障害があることが判明した。
日本樹木医会神奈川県支部技術研修会講師『打診・機器診断による幹の腐朽箇所の推定とその検証』
当支部では、昨年私が診断した「○○幼稚園」園庭のサクラの伐採・抜根に伴い、技術研修会を開催。対象樹木は樹高 9.5m 目通り周 2.55m のソメイヨシノである。講師は有賀、後藤の 2 名である。「心材腐朽」は、樹幹の心材部が被害を受けるもので、根株では根株心材腐朽、幹では樹幹心材腐朽がある。調査木(ソメイヨシノ)では、根株心材腐朽から樹幹心材腐朽までが貫通し、中心部が腐朽空洞になっていた。腐朽は水平根にも広がりつつ あり、倒木の危険性は内在し拡大しつつあり、伐倒の妥当性が証明された。
東京都街路樹診断等マニュアル改訂講習、「樹木点検」講師
これまで街路樹診断の一つとして位置づけられてきた「初期診断」だが、令和3年度改定に伴い「樹木点検」として位置づけられた。平成26年版では初期診断を診断としてとらえ、外観診断をせずに終える場合があったため、今回は誤解のないように診断といわず点検とした。本点検は、「外観診断の必要な樹木」を抽出するという目的に加え、「維持管理の処置が必要な樹木」を抽出するために行うもので、任意の点検という位置づけではあるが、強風等による被害状況の把握や、外観診断後の樹木の経過観察などのための実施を想定している。
令和3年度 ○○市グリーンヒル サクラ枯損問題調整コンサルタント
住宅地内の道路の水道管の埋設工事において、隣接民有地のサクラが枯れたとして○○市は住民から訴えられた。サクラ枯損の原因を探り、問題を調整することを依頼された。
様々な視点から現地調査し検討したが、サクラの枯死は、水道工事の影響による可能性は限りなく低く、原因となったとは考えにくい。また、仮に工事の際に桜の根を切断したとしても、数カ月の間で今回のように急激に衰弱が進むことは、限りなく低いものである。住民と行政の間に立ち、専門家として説明、解決。
板橋サンシティ樹林管理に関するカウンセリング
人口8000人の集合住宅地サンシティの住民による樹林の維持管理に関するカウンセリングは47年ほど継続中。建設中(1978)においては住民参加の入居記念植樹祭やワークショップ形式の広場づくりを。10周年記念事業(1990)として緑地の改修を住民と共に行う。この時「緑の会」が結成、現在の「グリーンボランティア」に発展(1997)。住民による緑地維持管理活動は現在23年目をむかえた。40年程前入居記念に自ら植えた樹木は巨大化し、問題が山積である。住民の手で伐採更新しているがそのカウンセリングを継続中。