登録年度 | 2001年度 |
---|---|
氏名 | 江口 正臣 (エグチ マサオミ) |
部門 | 事業者 |
性別 | 男 |
年代 | 80代 |
専門分野 | 水質、公害・化学物質、3R |
主な活動地域 | 三重県四日市市 |
主な経歴 | 東レ、テルモ、NTNに勤務し、環境効率を考慮したプロセス開発に従事。定年後、三重県環境部で廃棄物処理法・PRTRに関する環境技術指導員、東海ものづくり協議会、三重県北勢地区で中小企業支援アドバイザーに従事。また中部航空宇宙技術センターでナショナルコンポジットセンター設立に従事。 |
特記事項 | 資格:公害防止管理者大気1種、水質1種、危険物取扱者甲種、技術士(化学部門)、所属学会:化学工学会、東海化学工業会、日本技術士会、韓日財団を通じ韓国企業の指導。 |
活動の紹介
韓国企業への技術支援の想い出
6年半の韓国企業への技術支援(指導)の想い出の中に、文化・習慣・ものの考え方・国民性などの違いの中から、公害・廃棄物・エネルギー・安全などの現状などを解説した。
化学プロセス技術者としての半世紀
化学工学技術者として、公害防止問題、生産における廃棄物削減(収率向上)、省エネのための生産性向上、トラブル時の入り出の迅速な管理など遭遇した課題に対して、どう対処してきたかの経緯・ノウハウを解説した。最終的には、相互の信頼が成否を決めるため、組織間の隙間を率先して穴埋めする気配りが重要。決めたことだけを守ることだけでは、その隙間は埋められず、公害・不安全・トラブルなどが発生する。化学工学では、物質収支・熱収支をまず把握し、漏れの無い技術開発をしている。
大気プラズマを用いたフィルム表面処理による接着性向上
現在、高速伝送の伝送損失を低減する材料開発などが世界各国で行われている。その一方法としてフィルムの接着に接着剤を介在せず、直接熱アシストで接着することが求められている。大気プラズマ設備会社に顧客を紹介し、技術内容と今後の対応について協議した。
ファインバブルによる親水化処理による接着性向上
接着には、接着剤、接着剤レス(例えば、熱アシスト接合など)、超音波接合、レーザー接合などがある。接着性向上のために樹脂の表面をプラズマや薬液により親水化する方法があるが、環境にやさしい方法としてファインバブルによる方法もある。該社から技術評価の要望を受け、以前指導していた中小企業を紹介し、現地で技術打合せをした。
水素燃料自動車に対する水素ステーションにおける高圧圧縮機の水素ガスシール材料のコンタミ防止の材料評価についての助言・指導
水素ステーションの高圧水素は、最大82MPa、200℃が想定され、その時にシールリング材料から水素中にコンタミとして許容されるのは4ppb以下というほぼゼロに近い値である。評価方法も重要であるが、理論的にコンタミがこの値以下であることを証明することが要請された。その理論を解説・指導し、顧客の了解を得た。
航空機産業拡大のため整えてきた精密加工技術がコロナ禍で活かされず、同じ軽量化技術を自転車材料開発への転換・助言
航空機産業の拡大が叫ばれ、軽量化のための品質および精密加工技術を整備してきたが、コロナ禍により事業は中断された。その対応策としてコロナ禍で需要が伸びてきた自転車の軽量化、CFRTPの材料開発及び成形技術を開発するため、補助金の申請・助言をした。
風力発電機の高効率・省エネ部品(発電機のカーボンブラシ)の開発における補助金の申請に対する助言。
2050年に向けてのグリーン成長戦略が発表された。その基軸エネルギー源は、洋上風力発電であり、該社は自動車関係におけるモーターのカーボンブラシで日本市場のシェアは約60%である。この技術を風力発電の大型部品へ拡大し、地球温暖化防止、再生可能エネルギーの拡大に貢献するため、独自の評価試験機の開発のための補助金申請に対し助言・教育をした。採択され事業計画を遂行している。
風力発電機の高効率・省エネ部品の開発における補助金の申請に対し、地球温暖化防止・排出ガス抑制のあり方等の助言。
昨年末、政府の「グリーン成長戦略」が発表された。2050年までに地球温暖化ガスの排出量をゼロにする計画である。その再生可能エネルギーの主力電源は洋上風力発電と位置付けられた。この風力発電機の高効率(耐久性・省エネ等)部品を試作開発するための補助金申請に対し、外部環境としてSDGs、グリーン成長戦略を解説し、助言した。