登録年度 | 2002年度 |
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氏名 | 酒巻 一修 (サカマキ カズノブ) |
部門 | 市民 |
性別 | 男 |
年代 | 60代 |
専門分野 | 生命、生態系・生物多様性、水質 |
主な活動地域 | 北海道札幌市 |
主な経歴 | (株)建設環境研究所に勤務し、主に河川環境保全に関わる業務に従事。専門は魚類を中心とした水生生物。フィールドから直に得られる情報を重視し、自然が本来持つ回復力を利用した保全策の提案を心掛けている。メダカやホトケドジョウ等の希少種の生息調査を継続しつつ、自然観察会の指導も行っている。 |
特記事項 | 日本魚類学会会員、日本陸水学会会員 |
活動の紹介
研修会講師:テーマ「川の環境を調べる」
札幌を中心として活動している「NPO法人 北海道森林ボランティア協会」からの依頼により、同協会が冬季に行っている研修会の一環として、「川の環境を調べる」とテーマとして、里山の林を流れる河川の保全についての講演を実施した。
外来ザリガニ駆除のための現況調査 (市内A川・Y川)
2019年に札幌市内T川における外来種ウチダザリガニが侵入情報があり、駆除を目的とした捕獲調査を継続しているところであるが、その後、A川およびY川等複数河川での生息情報が有ったため、自治体・大学・民間等と協力して9月に捕獲調査を実施した。
札幌市澄川都市環境林における水生生物を使った水質判定の指導
札幌を中心として活動している「NPO法人 北海道森林ボランティア協会」からの依頼により、同協会が行っている市内南区の水生生物調査の一環として、5月・7月・9月の三回、生物採集の現地指導・同定指導等を行った。なお、調査・同定結果は、後日、スコア法による水生生物からみた水質判定を行い、その結果は札幌市に報告された。
水生生物を使った水質判定の指導
札幌を中心として活動している「NPO法人 北海道森林ボランティア協会」からの依頼により、同協会が行っている市内南区の水生生物調査の一環として、生物採集の現地指導、同定指導等を行った。なお、調査・同定結果は、後日、スコア法による水生生物からみた水質判定を行い、その結果は札幌市に報告された。
外来ザリガニ駆除のための現況調査 (市内A川・B川)
2019年に札幌市内A河における外来種ウチダザリガニが侵入情報があり、その後、同河川(支川を含む)での生息分布実態把握のための採集調査を継続しているところであるが、2022年も自治体・大学・民間等と協力して6月11日~10月28日に計5回の調査を実施した。調査の結果、分布範囲は次第に下流に広がっていると判断され、今後の更なる分布拡大が懸念された。
外来ザリガニ駆除のための現況調査 (市内A川)
2020年に情報のあった札幌市内河川での外来種ウチダザリガニについて、今後の管理・防除を目的として、自治体・大学・民間等と協力して現況調査を行った。調査の結果、分布範囲は今のところ上流域の一定範囲に限られているが、将来的には下流域に広く分散する可能性が危惧された。
外来ザリガニ駆除のための現況調査 (市内B川)
札幌市内河川での新たに外来種ウチダザリガニが分布しているとの情報を得たため、自治体・大学・民間等と協力して現況調査を行った。調査の結果、分布範囲は今のところ本流に限られており、ニホンザリガニが生息している枝沢へは侵入していないものと判断された。しかし当該地は、水辺を利用する親子等も多く、知らずに外来種を持ち去る等も行われていること等も判明したため、今後のモニタリングとともに、注意喚起看板などの設置が急務であるとした(後に自治体によって設置)。
外来ザリガニ分布調査
札幌市内に外来種ウチダザリガニが侵入しているとの情報を受け、市内河川での分布実態を調べるための予備調査を行った。調査の実施に当たっては有識者との情報交換の上、方法・調査場所等を決定した。その結果、現在の確認地からの顕著な分布拡大は、いまだ起こっていないもの考えられたが、今後も注視が必要であり、併せて啓発・啓蒙等も行っていくこととした。
生物のリストの作成方法
観察会や生き物調査などを指導・参加する方を対象に、野外で見つけた生物の名前の付け方や一覧表にした際の並び順などについて、分類学の視点から解説した。生物の名前は、地方や時代によって異なる場合があるが、観察会結果報告などの情報公表の際には、同じ認識を持つ上でのの共通言語となるため、重要であることを説明した。
札幌市南部域におけるアオサギコロニー調査
地元で活動している市民団体とともに、商業施設所有の風致林内におけるアオサギコロニーの状況を調査した。その結果、現在、札幌圏のアオサギの生息状況はコロニーの消滅や小型化等により、不安定な状態にある中で当該箇所は極めて良好な状況であることが把握された。
フィールド活動中におけるヒグマ対策
近年話題となった野外におけるクマ被害について、フィールド活動を行っている同僚や知人等から、実体験に基づく講習会を行ってほしいとの要望を受け、道内における各種フィールド作業関係者(約20人)を対象に撮りためた写真や動画を用いて「クマに会わない方法」、「会ってしまった場合の対策」等について講習会を行った。
第3回阿武隈川外来生物勉強会
震災後、利用が一部が制限されている阿武隈川において、従来は漁協、官公庁、任意団体等による親子向けの環境学習として「阿武隈川塾」を定期的に開催していたが、現在は活動休止中である。本勉強会は、休止期間中の不定期活動として行ったものである。今回のテーマは、魚類・植物等の多くの特定外来生物を取り上げ、現地での観察会と外来生物に対する知識や外来生物拡大の防止の啓発のための座学を行った。(平成27年、28年に引き続き、3回目の開催)
福島県浪江町津島地区における土壌生物及び昆虫類に対する放射能影響調査
福島県の避難区域である浪江町津島地区において、福島大学からの依頼により、土壌生物(ミミズ類)及び昆虫類(ミツバチ)の放射線影響を把握することを目的として、現地に立ち入り、採集調査を行った。なお、調査成果については、福島大学が取りまとめ、研究報告として発表の予定である。
阿武隈川外来生物勉強会
阿武隈川には魚類・植物等多くの特定外来生物が生息・生育している。これらの
外来生物は、自然環境や河川景観、さらに河川堤防の管理など、様々な方面への影響が懸念されているため、福島県で有志、漁業関係者、行政、学識者で活動を行っている「阿武隈川塾」の啓発活動の一環として、昨年度に引き続き、沿川住民の方々や各市民団体の方を対象に「阿武隈川外来生物勉強会」を開催し、外来種に対する勉強会と外来植物駆除(アレチウリ駆除)の野外実習を行った。