登録年度 | 2005年度 |
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氏名 | 久野 春子 (クノ ハルコ) |
部門 | 市民 |
性別 | 女 |
年代 | 70代 |
専門分野 | 自然への愛着、生態系・生物多様性、大気 |
主な活動地域 | 東京都立川市 |
主な経歴 | 武蔵野の雑木林の再生や国分寺・立川崖線の雑木林などの樹林地について管理作業を行うにあたり、植生の現状を把握するための調査を行い、今後の保全活動を行うための基礎資料を作成した。光化学スモッグの発生状況を植物の被害葉を通して経年推移をみるモニタリング調査を市民の賛同者を募って行った。 |
特記事項 | 共著で「図説環境汚染と指標生物」、「環境緑化の事典」、Air Pollution and Plant Biotechnologyを出版した。大気汚染協会(大気汚染学会)賞を受賞した。 |
活動の紹介
2018年度活動実勢報告提出済
2018年度活動実勢報告提出済
多摩川由来の崖線にある緑地地域の保全・維持に関する活動
立川崖線・国分寺崖線の緑地地域で発芽開花した在来種であるキツネノカミソリの存在株数を調査して、その周辺の森林構造の特徴を把握した。
光化学オキシダントによるアサガオ葉の被害モニタリング調査
今年の7月の気象は雨天、曇天が多くて、低温、照度不足で、アサガオの葉の被害は少なめでしたが、7月21日と22日に大きな可視被害が出現しました。立川市周辺のオキシダントの濃度は、7月20日に最高濃度が111~120ppbを示していました。千葉県では、ずっと天候不順でしたが、アサガオにオキシダント被害が出ていたのを22日に確認されました。本年は、コロナ対策による経済の低迷で、大気汚染の減少が予想されたが、道路は、業者業務や出勤、買い物、送り迎えなどで車両数が増加しているようでした。
立川崖線の緑地の観察と散策
立川崖線の緑地9カ所において、主な在来種であるキツネノカミソリの存在株数を調査した。また、11月に、立川崖線を歩いて、崖の地質と植生について学習する催しを行った。参加した市民は崖線の地質や生存するする樹木や草本に関心を持った。
玉川上水のコドラート植生調査と6年間のまとめ
杉並区の玉川上水で都民と共に2012年から2017年までに行った春期のコドラート植生調査の5地点の結果をまとめた。植生の6年間の経年推移を明確にして、今後の生存や維持管理方法について、都民、行政、業者と共に検討する基礎資料を作成して、印刷物を配布した。
崖線にある雑木林の保全・維持に関する活動
○○大学の学内の崖線にある雑木林において、学生や市民と共にキツネノカミソリなどの個体数や被度の調査を行った。そして、希少な在来種を保全し生存を維持するために、林内の外来種の削除や笹の刈り取り作業を行った。林内の植物について季節の特性を学習するために、この林の樹木や草本の葉・花・幹・枝・実を学生や市民と観察した。
光化学オキシダントによるアサガオ葉の被害モニタリング調査
今年の気象は雨天、曇天が多くて、低温、照度不足で、アサガオの葉の被害は少なめでした。7月3日と4日の光化学オキシダントの濃度は最高濃度が60ppbと61ppbと低めの値でしたが、葉に被害は認められました。一方、アサガオの葉に大きな被害を及ぼす光化学スモッグ注意報は、7月31日に埼玉県に、8月1日と2日に埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県で発生して、調査日の終盤で葉に大きな被害が出現しました。
玉川上水流域での植生調査
玉川上水の流域に生存する植物の調査を行って、在来種が維持出来る管理方法や環境について検討する。
雑木林の植生調査
○○○大学の「森と水プロジェクト」に参加して、学内の崖線にある雑木林について、5つのゾーンに分けて植生調査を行って現状を把握した。今後の保全、維持管理方法を提出した。
光化学スモッグに敏感なアサガオの葉の被害は、まだ、続いている!
9年間の光化学スモッグによるアサガオの被害調査は、第56回大気環境学会大会で発表した。本調査期間のアサガオの被害程度は過去の1都9県調査の被害程度と大きな差異は見られないことが判明した。市民が中心となって行った本モニタリング調査によって、いまだ大気汚染による被害は持続していて、大気汚染に敏感な植物体は身をもって人間に警告を発していることが分かった。