登録年度 | 2006年度 |
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氏名 | 丸井 豊 (マルイ ユタカ) |
部門 | 事業者 |
性別 | 男 |
年代 | 50代 |
専門分野 | 水質、大気、公害・化学物質 |
主な活動地域 | 岩手県盛岡市 |
主な経歴 | 環境計量証明(大気・水質・悪臭・騒音・振動・ダイオキシン類等)の測定分析業務。環境計量士として計量証明書証明業務。臭気判定士として臭気検査、臭気判定証明業務。事業所に対し環境保全活動及びISO14000s取得に関してのアドバイス。日本ボーイスカウト連盟神戸54団における近隣河川水質調査等、環境調査活動支援、リサイクル、エコ運動支援及び近隣清掃活動。 |
特記事項 | 環境計量士、臭気判定士、公害防止管理者(大気・水質)、大阪環境測定分析事業者協会等における技術委員として事例発表、教育等業界活動、大阪府計量協会等功労賞。 |
活動の紹介
環境調査における精度向上に関する研修会
近年、分析機器の性能の向上に際し、分析に供する試料は少なくなっている。しかし、大きな発生源から少量を採取するには、採取した試料の代表制がとても重要となる。採取試料に代表制が乏しいと、調査の精度だけでなく、本来なら特別管理となる廃棄物が、誤って一般廃棄物として処理されてしまう危険がある。そこで、廃棄物調査に携わる技術者を対象に試料採取を実施する上での留意点などについて講演を行った。当日は、Web参加も含めて50名以上の参加があった。
プラスチック資源循環促進法(新プラ法)施行における実態調査
プラスチック資源循環促進法とは、プラスチック製品の設計から販売、廃棄物の処理という全体の流れのなかでサーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行を推し進めるための法律で令和5年4月に施行された。昨年度末、ある自治体から、現在排出されている家庭系可燃ごみ中に含まれる削減12品目についての実態調査の相談があり、実態調査を実施し、その結果を地域住民や小学校などのへの啓蒙資料として提出した。
プラスチック資源循環促進法(新プラ法)施行における自治体への助言
プラスチック資源循環促進法とは、プラスチック製品の設計から販売、廃棄物の処理という全体の流れのなかでサーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行を推し進めるための法律で令和5年4月に施行される予定である。そこで、ある自治体から、現在排出されている家庭系可燃ごみ中に含まれる削減12品目についての実態調査の相談があり、調査助言と実態把握の調査計画の提案を行った。令和5年3月より実施し、4月の法施行に合わせて地域住民への啓蒙を行う予定である。
食品ロス調査における地域別排出実態調査
ある自治体から、家庭系可燃ごみ中の食品廃棄物を調査し、ごみ減量化や食品ロス削減を推進するため相談があった。この自治体では、地域概要や世帯層などが異なる5つの地域より家庭系ごみが搬入されることから、地域別に家庭系可燃ごみに含まれる食品残差について現在調査を実施している。また、従来リサイクルごみとして別途収集される資源ごみの混入も併せて調査し、排出実態の把握と当該自治体の環境基本計画の策定補助ならびに地域住民に対するSDGsの啓蒙も併せて行う予定である。
環境基本計画改定に伴う市民意識調査の検証と改定案の助言
自治体が策定した環境基本計画の改訂において、事前に住民への周知・理解の度合いについて情報を収集したいと相談があった。そこでアンケートを作成し、無作為に市民と事業所に配布し収集した。回答結果は、環境問題や環境施策の意識を性別、年齢層、住居年数ごとにクロス集計し、改訂施策案の基礎資料として提出した。
東日本大震災復興業務における廃棄物の放射性物質調査手法の確立
復興地域では、廃棄物として溶剤や油類が多く保管されている。その処理では放射性物質濃度を計測する必要があるが、現在の分析方法では、分析容器が酸や溶剤に耐性がないため分析が困難であった。今回、市販のガラス瓶を用い、予めガラスの放射能濃度の減衰を計測することで、分析値の精度確保と試料採取者ならびに分析所への試料移送の安全性をも高めることができた。
室内中の化学物質濃度における検証と助言
ある団体から室内中の化学物質が時間的にどのように拡散し、また人間の嗅覚で検知することが可能であるかの相談があり、模擬物質を拡散させて時系列的に閾値の検証を行った。その場で数評価できることが求められたため、6段階臭気強度表示法の他、検知管法などを採用し検証を行った。依頼者へは、検証の結果を報告書に纏めるとともに助言などを行った。
高アルカリトンネル湧水における公共水域への環境影響
あるトンネル開通事業で、掘削に伴う湧水のpHが高アルカリのため、炭酸ガスを噴霧し中和処理を行っていた。しかし炭酸ガスボンベのコストが年間約2000万円掛かるため代替案の相談があった。代替案は近傍に流れる沢水を利用し、湧水を希釈してpH値を中性域にしたのち公共水域に排出することにしたため、下流域の水利者への環境影響評価を実施した。下流域6地点での水質調査や負荷量から、水利者への影響は極めて小さいと判断し代替案を採用するに至った。維持費を低減できることになり、依頼者から高評価を得た。