登録年度 | 2007年度 |
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氏名 | 高橋 敬子 (タカハシ ケイコ) |
部門 | 市民 |
性別 | 女 |
年代 | 40代 |
専門分野 | 自然への愛着、地球温暖化、消費生活・衣食住 |
主な活動地域 | 千葉県柏市 |
主な経歴 | H18年にNPO風土-Kazetsuchiを設立。H26年にとしまちプロジェクト運営協議会を設立。豊島区西池袋を中心とし、大学、町会、学生らと連携を図りながら持続可能な地域づくりに向けた活動の企画・運営を行う。また、国立環境研究所において気候変動教育の研究も実施している。 |
特記事項 | 異文化コミュニケーション学修士。「あなたの暮らしが世界を変える」(山と渓谷社)では消費者教育部分を執筆。気候変動教育に関する研究論文等を執筆。H21-H24:豊島区まちづくりバンク審査委員。H27年~こどもエコクラブサポーター |
活動の紹介
自治体レベルでの温暖化対策を考えるワークショップの実施と助言
「地域でできる効果的な気候変動対策を考えるワークショップ -流山市編-」ということで、流山・柏市の議員の皆さんを対象としたワークショップを行いました。
①地域の現状を知ったうえで、②地域にあった効果的な温暖化防止・適応行動を考え、選択し、③ ②を基に具体的な対策を考える。という流れを約5時間(9時半~14時半)のワークショップで行いました。
議会の定例会で提案したいという感想や、さらに調査研究して政策提案につなげたい、身の丈に合った内容をまとめられた等の感想を頂きました。
SDGsへの環境教育 持続可能な社会のための環境教育
私とドイツ人教育者とで開発した教材「気候変動のミステリー」の体験と、学習手法ミステリーの教育的特徴についての説明を行いました。最後に参加者の皆さんに鳥取県の気候変動に関連する内容を盛り込んだミステリーカードを作ってもらいました。「気候変動についてはあまり知識がないから不安」と言っていた参加者の方も、「あれ、こんなに知っていたっけ?」というほど、知らず知らずのうちに学んでいたことにビックリしました。
環境問題を楽しく学ぶ教育手法‐ミステリーの手法と地域での実践に向けて-
システム思考コンピテンシーの開発につながるという学習手法「ミステリー」について、日本版気候変動のミステリーを体験してもらい、ミステリーの教育的背景や内容、歴史、海外でどのようにして利用されているか等についてもお話しました。その後、ミステリーのカードづくりを1時間かけて行いました。参加者の先生からは、「生徒にミステリーを作ってもらうのを探求学習でやってみたい」「SDGsの最後の授業でも取り入れたい」等の感想を頂きました。
先生のための気象教育セミナー
教員を対象に、私とドイツ人のホフマン氏とで開発した気候変動のミステリーという学習教材の体験と、ミステリーカードづくりを体験していただきました。「学校でぜひ使ってみたい」「いろんな教科で応用できるね、生徒にも作らせてみたい」等と言って頂きました。気候変動問題に関する興味の喚起だけではなく、学習手法を学校教育で導入してもらうためのきっかけづくりができたように思います。
としまグリーンキッズプロジェクト‐としまの自然の色になろう‐天の川にダイブ
芸術作家の植田志保氏と一緒に、色を使ってとしまの自然を表現するイベントを実施しました。七夕に行うため、「天の川」というテーマを設定し、大きな白い布をキャンバスにして、自分たちが感じた豊島の自然を思い思いに色で表現してもらいました。感性を大切にした自然観察を行った後、自分たちが見て感じた自然を思い浮かべ、真っ白なキャンバスの上に、それぞれの色を使って表現しました。
としまグリーンキッズプロジェクト~としまの緑化を体験しよう~
豊島区池袋駅西口周辺の緑化の様子を見学した後、東京芸術劇場の屋上で試験的に実施してきた屋上緑化を体験してもらいました。屋上では、そこに生えている植物を観察し、生きものを捕まえて観察することによって、どのような生きものが屋上にいるのか、どこから来たのか等を一緒に考えました。その後、東京芸術劇場の劇場ツアーも行いました。豊島区のアートの視点と自然の視点を融合することによって、普段は環境や自然に興味のない層に参加してもらい、豊島区の自然や生きものに興味を持ってもらうきっかけづくりができました。
持続可能な地域づくりに向けた活動を伝える授業
大学生を対象に、「持続可能な地域づくりに向けて私たちは何をしていけばよいのか」を考えてもらうきっかけ作りを目的に授業を行いました。私がこれまで行ってきた西池袋での活動について、西池袋で住民の方たちと一緒に作った「持続可能な西池袋像」のお話や、活動が展開するまでの段階的な話、そして協議会の活動内容について話をしました。また、地域の皆さんの活動拠点をツアー形式でめぐり、駅前の緑化活動、コミュニティカフェ、フリーマーケット等の活動について話をしてもらいました。学生の皆さんも熱心に質問をしていました。
としまグリーンキッズプロジェクトの企画・運営
「としまグリーンキッズプロジェクト」という小学生向けの連続環境講座の企画・運営を行いました。豊島区という大都会の自然について知ってもらい、豊島区という場所の生態学的な価値や意味、場所の感覚を感じてもらいたいと思い、連続3日間のプログラムを企画・実施しました。また、3日間で学んだことを、地域の大人たちに発信してもらう場として、地域のコミュニティカフェを設けました。「豊島の自然を守っていきたい」という発表をしてくれる子もいて、プログラムの効果を実感できました。
人・地域・自然がつながる西池袋の地域づくり
立教大学図書館のイベント「語りの時間~研究って面白い!」に呼んでいただき、「人・地域・自然がつながる西池袋の地域づくり」というテーマで講演しました。大学生向けに、環境教育の実践の視点からだけではなく、研究という視点からみた活動についてもお話しました。地域活動や環境教育に興味のある学生さんたち向けに、研究、実践の両面から環境教育を実施することの大切さ、面白さを伝えることができたのではないかと思います。
池袋における屋上緑化プロジェクトの企画・実施
池袋の屋上緑化プロジェクトの企画・コーディネイトを行っています。地元の自然保護団体専門家を招いてアドバイスを頂き、近隣の公園や道端から種を採取し、在来の植物を植えて、屋上に在来植物を増やす取り組みを行い始めました。外来種を抜き、在来植物の種をまいたり、近隣のお宅の方から協力してもらい、ツワブキやコケ等、池袋で育ってきた植物の苗を頂いて植え替えたり等を行っています。
ドイツの気候変動教育手法”ミステリー”体験
私が研究テーマとしている気候変動教育について、ドイツの気候変動教育教材に含まれている”ミステリー”という手法を使って気候変動の問題について考えるワークショップを、研究所、大学、高校等で実施しました。1)ドイツのバーデンビュルテンブルグ州の特徴、2)なぜこの教材ができたのか(経緯)、3)教材作成の実施体制、4)この教材のポイント、5)ミステリーの手法についてお話した後に、どうすればこの教材を日本の文脈に沿って応用可能かというところまでを話し合いました。
池袋西口での屋上緑化プロジェクト支援
池袋西口の屋上緑化プロジェクトを実現するために、地域の住民の方や団体の方たちに在来種・外来種の違いや、在来種を植えることの重要性を知ってもらうため、自然保護団体の方を講師に呼んで、勉強会を開催しました。また、勉強会の後に、屋上緑化をする場所に行き、既に生えている外来の植物、メリケンカルガヤ、セイタカアワダチソウを特定してもらい、参加者12名で草ぬきを行いました。今後は、春に東京都産の在来種の種を植える予定です。
子どもエコクラブの活動支援
小学生の子どもたちに、自然の素晴らしさを知ってもらうために、子どもエコクラブサポーターとして、さまざまな自然体験の活動を企画しました。身近な自然をしっかり観察してもらうために、ダンゴムシの観察をしたり、海辺で拾った貝殻を使ってアクセサリーづくりをしたり、サツマイモの植え付けと収穫をしたりと、自然に興味を持ち、親しみ、活用することを1年間かけて体験してもらいました。
池袋西口緑化プロジェクトのコーディネイト
池袋駅の西口周辺を緑いっぱいにしたいという地元の方の意見を実現するために、2016年の3月から月に1回程度の会合を開催し、地元町会の方、地元NPO、企業、大学等の方たちが集まり、どのようにしたら実現できるのかについて話し合いました。私はその中で、コーディネイト役として関わりました。会議では、賛成する方、反対する方等さまざまな意見の対立等はありましたが、「誰が」「何を」「どうやって」進めていくのかについて、継続的に話し合いを進め、最終的には屋上緑化を行うことで意見の調整ができました。
ドイツ・オーストリアにおける気候変動教育とESDに関する授業
立教大学大学院の授業にゲストスピーカーとして呼んでいただき、
ドイツ・オーストリアにおいて、気候変動教育やESD(持続可能な開発のための教育)に従事するNGO、教育関係者等にインタビュー調査を行った結果をまとめ、各国の教育傾向について話題提供を行いました。
としまちプロジェクトの会議コーディネイト
西池袋の持続可能な地域づくりを目指して活動する「としまちプロジェクト運営協議会」の会議ファシリテートを月1回行っています。
持続可能な地域づくり像を共有し、それを具体化するためのプロジェクトとして、コミュニティカフェ(風土かふぇ)の実施、豊島区田舎化プロジェクトの全体像の作成、西池袋緑化プロジェクト計画等をメンバーの皆さんと一緒に考え、まとめてきました。
徹底討論、温暖化で生態系はどうなる? —私たちにできることは—
国立環境研究所で実施した春の環境講座「徹底討論、温暖化で生態系はどうなる? —私たちにできることは—」にパネリストとして参加しました。私は企画段階から関わらせてもらい、市民の方たちが理解しやすい発表やクイズの流れ、メッセージボードを使ったメッセージの発信の工夫等についてアドバイスも行いました。また、パネリストとしては、来場者の方たちも同様に考えているであろう疑問点について、市民の立場として質問を投げかけました。結果として、来場者の方たちが発言・質問しやすい雰囲気づくりができていたように思います。