登録年度 | 2007年度 |
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氏名 | 野﨑 勉 (ノザキ ツトム) |
部門 | 市民 |
性別 | 男 |
年代 | 80代 |
専門分野 | リサイクル、エネルギー、環境教育、市民活動、町づくり、消費者教育、地球環境問題、環境全般 |
主な活動地域 | 鹿児島県鹿児島市 |
主な経歴 | 34年間大学で教育研究に従事し、1990年に環境流体工学研究室を立ち上げ、環境保全技術開発を産学共同研究も含め積極的に行った。2004年からは環境保全技術が立ち遅れている中国にわたり、中国東北大学環境工学研究所立ち上げや砂漠緑化などを支援し、主に大学院レベルの研究と講義(環境流体工学)を行っている。 |
特記事項 | (委員)(社)マリノフォーラム21専門員として養殖池水底の砂泥清掃技術開発に参画など。(受賞歴)遼寧省人民政府外国専門家栄誉賞・遼寧省人民政府友誼賞など |
活動の紹介
鹿児島市”常盤の杜”大規模開発に関する事案
本件に関して、数年来、開発業者と地権者の意見を聴きながら調整してきたが、令和6年1月中旬、業者代表から開発を断念する旨の連絡が入った。20万㎡に及ぶ手つかずの山林の活用について、かねがねから何らの形で自然公園として残すことを主張してきた経緯もあり、業者から当方へも今後の利用方法について問われる事態となった。とりあえず、業者の開発断念の意向を正式な文書で提出してもらい、今後の然るべき活用方法について、輪を広げていく所存である。
養蜂(日本ミツバチ)を含む自然環境整備
レデンプトール修道女会(鹿児島市唐湊)の敷地内で活動するNPO の活動の一環として、絶滅が危惧されている日本ミツバチ養蜂とその環境造りの企画助言を行っている。日本ミツバチは自然環境のバロメータであり、B型就労支援者とともに、その環境造りから採密までの過程で、自然環境の大切さを学んでいる。
桜島避難地区での温泉熱利用
桜島古里町ホテル経営者から、ホテル撤退後の跡地利用について依頼があった。すでに専門家による温泉水の成分分析は行われており、特別、希少な成分が含まれていない。火山として現在、活発な活動期にあり、常時、住むこと、客人を泊めることは論外であることを前提とし、豊富な湯量を熱源として利用することを提案した。例えば、スマート農業、建物も最大限利用するLED光による水耕栽培などを提案した。安全を第一とし、種まきと収穫時以外は、原則、遠隔操作での管理を推奨した。
鹿児島市”常盤の杜”宅地造成に関する話し合い
前年度より進展は見られない。一部地権者の強い反対に対する、開発業者のいらだちが顕在化している。当該年度は町内会長・役員数名との話し合い、地元在住市議を交えた数回の話し合いがなされた。その間、地権者とともに、市役所に赴き、担当者と面談したが、平成28年以降、本件に関して、業者からの申請はなく、行政側としての方向は示されなかった。その理由として、鹿児島中央駅周辺の発展と開発業者による当該地域の造成計画を挙げている。過去の8・6水害は明らかに団地から駆け下った大量の雨水による人災であり、スポンジの役を果たす山林伐採は最小限に留めなければならない。
環境整備活動
鹿児島大学園芸研究会学生10~18名とともに、毎月第2・第4土曜日10時~16時まで、鹿児島市レデンプトール修道女院敷地内の環境整備を兼ねて、野菜などの栽培を行っている。学生達は、敷地内の樹木の植生や育成方法を体験しながら、時には、地球環境に関する座学も行っている。将来は、敷地内に”春の小川再生プロジェクト”の一環としてビオトープを敷設し、市民が自由に自然観察できるエリアを設ける予定である。
中国内モンゴル自治区での緑化活動
2005年から続けている中国内モンゴル・ホルチン砂地での緑化活動はコロナ禍により中断している。その後の状況については、メールや電話で逐次、先方と交信している。植樹に加え、”粘土板による大規模緑化”、そして”人工オアシス集落”構想の具現化は遅々として進んでいない。
山林大規模造成に関する話し合い
鹿児島市常盤町山林の大規模開発計画に関し、その対象となる反対住民からの依頼があり、参加した。計画は標高60~130mの総面積117,000㎡の山林を造成し、ほぼ60mの高さにならし、分譲宅地224戸、マンション4棟、温泉施設などを新たに建設するものである。現在、開発業者による計画中ではあるが、当該敷地の買収に反対する住民数名による進捗状況が説明され、その後、業者による説明会など、当該年度5回の話し合いがもたれた。
緑の地球学校
昨年開校した緑の地球学校の今後の具体的行動計画を策定するため運営委員を中心に話し合われた。その席で、一例として、「春の小川再生プロジェクト」について講演した。都市化が進み、市街地では生命の源であるビオトープが見られなくなった。とりわけ、子供たちにとって、川や水辺の生き物たちを観察する機会が無くなった。鹿児島市近郊の水田を利用して、人工的な水循環型ビオトープを創生する案などを紹介した。
環境整備
当該敷地は以前、学法・純心学園寮として利用され、現在は、高齢の神父・シスターが居住されている。管理するNPOポラーノ・ポラーリの依頼で、鹿児島大学園芸研究会学生の協力を得て、敷地内の環境整備を毎月第二・第四土曜日に行うこととなり、対象面積は建物を除く、約2000平方メートルで、当面は除草と樹木の剪定などを行うこととなった。将来は管理者の同意を得て、憩いの場として、一般に開放できるよう計画している。
中国内モンゴル緑化
コロナ禍により、現地(中国内モンゴル自治区ホルチン砂地)での活動ができない。昨年度より、メールやチャットによる現地との連絡を行っている。十数年続けてきた植樹活動と並行して、2018年より「粘土板マルチング法」による大規模緑化については、農閑期を利用して、粘土板の製作を現地農民に依頼し、今後の活動に備えている。2020年より計画している「人工オアシス集落構想」については、集落の規模・立地条件等について検討を始めている。
中国・内モンゴルでの緑化活動
JICA鹿児島県派遣専門家会主催公開講演会であり、コロナ禍の折、オンラインで行われ、幸い、全国の関係者にも聴講してもらえた。1949年新中国建国とともに始まった、内モンゴルでの定住化政策が裏目となり、2000年にあ訳90%の草原が砂漠化した。2005年から開始した緑化について現状と将来計画について講演した。
街路樹伐採中止の陳情
近隣の市立小学校正門前道路整備に伴う街路樹数十本伐採中止を市議・整備担当者へ陳情した。本計画は数年前から計画され、該当箇所は最終整備であること、地元住民の同意を得ていることなど、変更不可避であること、今後の整備計画につては事前に熟慮する旨の回答があった。
気候変動から気候危機へ~今、私たちにできること~
環境保護活動団体・指導者らなど35名参加。気候変動から気候危機へと、専門家の危機意識は高まりつつも、MDGs からSDGsへの子草的合意は、いずれも”人と人との共生”に重きがおかれ、”自然(物)と人との共生”が疎かにされがちなこと、70億にならなんとする世界人口は他の生物との共生を考えねばならないことなどを伝えた。
鹿児島市都市緑化計画に関し市議へ陳情
都市計画、区画・道路整理に伴う、街路樹塔野伐採を最小限度にとどめるよう、すでに欧米のいくつかの都市では行われている、直径がある程度以上の樹木をデータベース化し、その伐採に際しては、何らかの審議会の議を経ること、電線などのライフラインを共同溝とし、都市樹木は剪定を最小限に留め、2階建て住居より高く伸ばすこと、地域を限定して暗渠を開渠とし、生物多様性を考慮することなどを伝えた。