登録年度 | 2008年度 |
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氏名 | 窪 健一 (クボ ケンイチ) |
部門 | 市民 |
性別 | 男 |
年代 | 70代 |
専門分野 | 自然への愛着、生態系・生物多様性 |
主な活動地域 | 鹿児島県志布志市 |
主な経歴 | ・捨てられたゴミたちの「顔」を人間に見立てたゴミたちの「叫び」やゴミの中でたくましく生きる生き物たちの「生命」をテーマに撮りためた環境写真でものや命の大切さを感じてほしい。写真で自然や環境を学ぶ保全活動。・環境啓発活動に「ゴミの顔」を看板化し視点を変えた取り組み。・毒グモ調査活動 |
特記事項 | ゴミの本ーもっと生きたかったよ。日本で初めてのゴミの顔です。何かを訴えかけている。小・中学校の教育現場の環境問題を考える生きた教材として活用してほしいです。 |
活動の紹介
ミシシッピアカミミガメ生息調査及び駆除
大崎町と志布志市に隣接の菱田川(志布志エリア)の田尾橋下流にて条件付き特定外来生物のミシシッピアカミミガメや県指定外来生物クサガメの生息調査及び駆除を実施した。トラップ1~3台を設置しミシシッピアカミミガメ30匹・クサガメ6匹を捕獲し志布志市生物多様センターへ搬入後、冷凍察処分し堆肥置き場で堆肥化した。
捨て釣り具の調査回収及び釣り人向け啓発写真看板設置
志布志海岸(安楽干潟)や通山海岸にて県補助金(みんなの生物多様性サポーター支援事業)を活用し捨て釣り具の回収及び生き物の生息や被害調査をした。特に釣り人による釣り具の放置で野鳥の被害が発生している。保全対策として釣り人向け啓発写真看板「釣り具をすてないで」2本を製作し関連機関と連携し設置した。
アメリカザリガニの生息調査及び駆除
有明町蓬の郷(下池)下流の用水路にて条件付き特定外来生物アメリカザリガニの生息調査を志布志市生物多様性センター連携し実施した。用水路にカニ籠1台~5台を設置し個体967匹を捕獲、冷凍殺処分し一般生ゴミとして搬出した。
コアジサシの営巣地観察及び保全対策
通山海岸に50羽以上のコアジサシの飛来と15カ所の営巣地を確認した。営巣地を守るため、志布志市生物多様性センターと連携し、産卵(1~3個)地の周囲をネット張りし漂着ごみの回収を行った。しかしコアジサシの天敵であるトビやカラスに卵を食害され繁殖はしなかった。
メリケントキンソウ撲滅対策
令和6年度度志布志市の指定管理施設にて県指定外来生物メリケントキンソウの撲滅対策後の効果の確認を評価基準に基づき実施し、18件(36%)を撲滅、2件(4%)をほぼ撲滅とし30件(60%)が生育有りであった。今回も撲滅とほぼ撲滅で20件(40%)と対策効果が見られなかった。
特定外来生物「ツマアカスズメバチ」侵入調査
志布志市における特定外来生物「ツマアカスズメバチ」の侵入個体を把握するために、鹿児島県自然保護課野生生物係より依頼され志布志市の港湾周辺に10ヶ所のトラップを設置し定点観察を10日間実施した。
今回の調査ではトラップでの捕獲や営巣など確認はされなかった。
メリケントキンソウ生息地点検及び評価報告
志布志市で外来種メリケントキンソウの鋭い棘による怪我を防止するため、駆除に取り組みをしている。
市の指定管理施設50件を点検し評価基準をもとに防除対策後の評価をした。17件(34%)を撲滅、3件(6%)をほぼ撲滅、30件(60%)が生育ありで撲滅に至っていない。メリケントキンソウは県の防除指定種で、駆除を行ってもらうため、志布志市市民環境課へ評価報告書を提出し説明会を行った。
外来種捕獲 環境を考える
志布志市の香月小学校で環境学習会を開き4年生32人が参加した。生物多様性や市内に生息する外来種を紹介、環境を考える大切さを訴えた。また志布志港や市内で生息範囲が拡大する特定外来生物の「ハイイロゴケグモ」について、標本や写真を交えて生態や対処方法を教えた。
更に児童との対話もし。外来種の問題点や生活への影響について理解を深めた。
ハイイロゴケグモはおとなしいので怖がる必要はないが、いた場合は足で踏み潰すなど対処してほしい。
外来生物によって人への被害や地域の生き物が失われていることを学習した。
毒グモ(ハイイロゴケグモ)拡大調査
特定外来生物「ハイイロゴケグモ」の生息が志布志市港湾周辺で広がっているため、志布志港港湾施設で拡大調査を行った。調査は本港・外港・若浜・新若浜の4地区で実施。街灯ポールや腐蝕したベンチ、廃材置き場を調べ、成体13匹、幼体3.500匹、卵のう228匹を駆除した。抜け殻268個を確認・回収したため、幼体が拡散している可能性がある。鹿児島県自然保護課や志布志市市民環境課に点検と駆除の結果を報告した。
志布志港では定着していると考えられる。駆除は防御より難しい、予防策を考える必要がある。
ごみの環境写真展
志布志通山海岸周辺の道路や駐車場一帯に、周辺で撮影したごみの写真看板を10ヶ所設置した。
ゴミの叫び、環境写真展と題して、不法投棄の実態を知ってほしいと訴えた。高さ1.7mの支柱と固定した板に写真を張り付けた。散乱した缶、たばこの吸い殻、釣り具、タイヤを含むさまざまなごみを撮影した。ゴミたちの侵略、助けて、置き去りにしないでなどタイトルとコメントを盛り込んだ。
看板は4月末まで設置。不法投棄で海洋汚染が進み生態系が失われる。地域市民も環境負荷の低減に取り組んでほしいです。
外来生物「アメリカザリガニ」生息調査及び捕獲・駆除活動
志布志市有明地域蓬原の水田用水路に外来生物の「アメリカザリガニ」が大繁殖している。アメリカザリガニは雑食性で繁殖力が強く生態系に影響を及ぼす侵略的外来種で、環境省では緊急対策種、また県の重要防除種に指定されている。8月上旬、用水路で繁殖を確認した。水たまりや岩、土壌の中に生息し、同月末にかけて市民7名と捕獲、計794匹を駆除した。アメリカザリガニは釣りしたものを持ち帰って飼育するケースが多い。「外来生物であることや問題点について環境教育も重要である」アメリカザリガニは2023年度から法改正で特定外来生物に指定される。
特定外来生物「ウシガエル」生息調査及び捕獲・駆除活動
志布志市有明地域蓬の郷(湧水池)で、ウシガエルが大繁殖している。ウシガエルはさまざまな小動物を捕食する。環境省指定の特定外来生物。下池の広範囲に生息し、8月上旬から10月の月末にかけて幼生「オタマジャクシ」835匹(73%)、幼生(変態)228匹(20%)、幼体70匹、(6%)、生態1匹(1%)など計1.134匹を捕獲し駆除した。8月上旬に市民や市、生物多様性保全センター、市議、県に駆除体験や生態観察会を個別に開催した。ウシガエルに「在来水生動物が捕食され棲み処を奪われるなど生態系への影響が懸念される」定期的な駆除が必要である。「生態系や生物多様性を考える契機に」してほしい。
二ホンスッポン観察・環境学ぶ
志布志市の通山小学校で環境学習会を開催した。3年生30人が参加した。市内の水田で捕獲した二ホンスッポンや卵、写真パネルを持参し、生態系の保護や環境保全の大切さを伝えた。甲羅が柔らかく長い首や突き出た鼻が特徴で用心深く性質は荒いなど観察をした。ペット用に輸入されているスッポンもあり「逃げ出した個体が生態系を破壊していることも心配される」カメに関しても外来種と在来種の交雑で純粋種が減少するなど紹介をした。子供達は「首が長く伸びるのに驚き、生態系を大切にし、自然を守っていきたい」と話した。
外来生物オオカナダモ及びオオフサモ駆除活動
志布志市有明町高下谷の湧水池に生育している県指定外来生物のオオカナダモは県条例で適切な飼養などの方法で管理が必要である。また環境省指定のオオフサモは栽培や販売、生きたままの移動などが禁止されている。池のゲートより逸出し下流の河川や水田で水流阻害や水稲被害が発生した。湧水池で市民や市 市民環境課、耕地林務水産課など約8名で抜き取り駆除し約1.5トンを陸揚げ後、市指定の用地にユンボで穴を掘り埋め戻した。池の逸出対策として幾つかの改善を行っているが、恒久的な改善に至っていない。定期的な巡視点検と抜き取り駆除を助言した。
メリケントキンソウ生育地点検及び評価報告
志布志市で外来種メリケントキンソウの鋭い棘による怪我を防止するため、駆除に取り組みをしている。市の指定管理施設44件を点検し、評価基準を基に防除対策後の評価をした。23件(52%)を撲滅、7件(16%)をほぼ撲滅、14件(32%)が生育ありで撲滅に至っていない。メリケントキンソウは県の防除指定外来種で、駆除を行ってもらうため、市民環境課へ評価報告書を提出し説明会を行った。
特定外来生物「オオフサモ」水稲に脅威
鹿屋市県大隅振興局で特定外来生物「オオフサモ」の特徴や水田への影響を学ぶ講演会を開催した。「水田被害や繁殖状況・水田でのオオフサモを効果的に駆除または、抑制するために駆除方法に目を向けてほしい」と訴えた。県や自然保護推進員ら約13名が参加。オオフサモの侵入で水稲の生育に悪影響が発生した駆除の必要性を指摘。スライドを使いながら説明し、解決に向けた試験結果をもとに、現場でわかったことを分かりやすく伝えた。参加者に「参考にできると」好評であった。
令和3年度、特定外来生物「ツマアカスズメ」の侵入個体調査
令和3年度、志布志市における特定外来生物「ツマアカスズメ」の侵入個体調査を把握するために、鹿児島県自然保護課より依頼された。志布志港湾周辺3箇所の地点に8箇所トラップを設置し約1ヶ月間定点観察をした。ツマアカスズメバチの生態系や人への影響が指摘される中で今回の調査では、トラップで捕獲し確認することはできなかった。スズメバチ類(3種)29匹や昆虫類86匹など、調査結果一覧表や写真記録を県自然保護課、市環境政策課へ提出し説明会を実施した。
特定外来生物「オオフサモ」繁殖拡大調査
特定外来生物の「オオフサモ」が志布志市内で繁殖し調査に取り組みをした。「水田に入り込み、稲の生育にも影響を与える」志布志市では安楽川や高下谷湧水池一帯など広い範囲で育ち、水路を通じて水田に侵入し、繁殖している。8月中旬には県や市、市議などを案内し合同調査や現地説明会などを開催した。その後も市内各地で繁殖の実態を調べている。市も私の調査をもとに市内の4地区で、抜き取りを呼び掛ける看板を設置。高下谷湧水池の駆除(約4トン)作業にも取り組みをした。
つながるいのち 「生物多様性ってなんだろう」
志布志市の通山小学校で生物多様性を学ぶ講演会を開催した。「地域や身の回りに目を向け、環境問題に関心を持ってほしい」と訴えた。児童や地域住民ら約30人が参加。生物多様性の危機として、開発や乱獲、地球温暖化、外来種の侵入などによって危機にさらされていることを指摘。スライドや標本も使いながら説明し、解決に向けた身近な取組として「自然観察会や保護活動に参加し、自然や生き物に触れて」と呼び掛けた。参加した児童は「網にかかったウミガメの写真を見てびっくりした。貴重なことを教えてもらった」と感想を頂いた。
メリケントキンソウ生育地巡視点検及び評価報告
令和3年度、志布志市のメリケントキンソウ生育地の学校施設を巡視点検し、撲滅評価基準書を基に駆除対策後の評価をした。21件中「撲滅」0件(0%)・「ほぼ撲滅」6件(29%)・「生育あり」15件(71%)で撲滅・ほぼ撲滅が29%で撲滅に至っていない。メリケントキンソウは県の指定駆除外来種であり、駆除を積極的に行ってもらうため、県から配布の資料を説明し各学校へ配布した。また、市環境政策課及び教育委員会へ評価報告書を提出し今後の対応策など助言を行った。
外来種メリケントキンソウをもっと知ろう
令和2年12月8日鹿屋市県大隅振興局で県自然保護課主催の自然保護に関する各推進委員(自然保護・希少動植物・外来動植物)の業務について研修会が開催され13名が参加された。外来動植物対策の事例発表として「外来種メリケントキンソウをもっと知ろう」のテーマで講演し、メリケントキンソウ駆除対策マニュアルを配布し特徴や危険性、適期の駆除の情報を提供し駆除活動に協力を依頼した。
志布志市ダグリ岬海岸プラスチックごみ回収調査
令和2年9月~10月までの25日間、志布志市ダグリ海岸や志布志海岸での漂着物調査でプラスチックごみを資源ごみ袋で(35袋)、生物に似た流木(200個)を回収した。本市のごみの散乱場所は広域で回収は困難な状況である。また、不法焼却も多い。近年生態系への影響も大きく、野生生物への被害の発生や野鳥の飛来種も減少している。更に、マイクロプラスチックごみの多さには驚いた。周辺はアカウミガメ上陸地でもあり実現可能な対策が必要である。志布志市生物多様性事務局へも調査報告書を提出し情報を提供した。
キオビエダシャク生態環境写真展
令和2年8月志布志市商業施設サンポートアピアでイヌマキに被害を与える外来生物(移動種)キオビエダシャクの生態を紹介する環境写真展を開催した。写真展では、今まで生態観察や駆除を通して得た羽化の瞬間や幼虫の食害状況、食害で枯れたイヌマキなどの写真パネル20枚のほか、生きた成体や幼虫も展示しをした。また、防除対策マニュアルや被害状況をまとめた資料も紹介した。会場では125名の方に現状や対策を説明し防除手法を活用した駆除に協力を依頼した。志布志市生物多様性事務局へも開催事前に情報を提供した。
志布志市に生息・生育する外来種の分類と生息・生育分布図の作成
令和2年6月志布志市でこれまで確認している外来生物140種の分類群の内訳をした。更に、特定外来生物と生態系に影響を及ぼす主な侵略的な外来生物など13種の生息・生育の確認箇所を本市の全図に転記した。志布志市生物多様性事務局に「志布志の環境」としてデータを提出し人や生態系への影響をアドバイスした。また、8月13日の生物多様性地域戦略検討委員会で各委員との協議もなされ、戦略の中で外来種への対応として取組むことになった。
生物多様性4つの危機
令和2年5月志布志市の生物多様性事務局より生物多様性4つの危機の現状や課題の作成を依頼された。今まで生き物の生息・生育調査をした自然環境や現状を分析し課題及び画像データを生物多様性事務局に提出し各危機的な問題点と対応策など助言を行った。また、8月13日の生物多様性地域戦略検討委員会で各委員と協議もなされ一部見直しをし戦略の基盤として取り組むことになった。本市は生物多様性地域戦略策定の作成を令和3年3月の完成を目標に取組みをしている。
2019年度活動実勢報告提出済
2019年度活動実勢報告提出済
2018年度活動実勢報告提出済
2018年度活動実勢報告提出済