登録年度 | 2010年度 |
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氏名 | 橋本 博 (ハシモト ヒロシ) |
部門 | 市民 |
性別 | 男 |
年代 | 50代 |
専門分野 | 生命、自然への愛着、生態系・生物多様性 |
主な活動地域 | 三重県尾鷲市 |
主な経歴 | ビジターセンターにおいて環境保全活動および環境保護活動、環境教育の普及・実践に努める。さらに、地域住民に対し自然観察会やクラフト教室を実施し、環境保護の啓発をおこなう。また、森林インストラクタおよび樹木医としての専門知識を生かし、民間企業で森林体験活動の講師として従事する。 |
特記事項 | 樹木医、森林インストラクター、体験学習施設清見すのまたふるさと学校学校長、市社会教育連絡協議会文化財委員 |
活動の紹介
旅するチョウ~アサギマダラ観察会~
旅するチョウとして知られるアサギマダラの観察会を南牟婁郡御浜町内になるフジバカマ園で開催。紀伊半島南東部のこの地域は山が沿岸分に迫るため、アサギマダラの飛翔ルートとして限られた場所に飛来するため観察に適した場所で、一度に100頭以上の個体を観察することができる。じっくり観察ることで、どのように飛ぶのか、どんな気象条件に飛ぶのか、またなぜフジバカマに集まるのかなど、講師が一方的に教えるのではなく、子どもたち自らが考え、感じる観察会とした。
利用調整地区「西大台~自然観察会~」
環境省が日本で唯一実施している利用調整地区に指定している大台ケ原山系の西大台地区で、自然を総合的に学ぶ自然観察会の講師として参加。植物だけといった一つの事象を学ぶのではなく、複層の森を利用する哺乳類や野草、そこに自生している野草や樹木、そして土壌や菌類など、関連する様々な事象について、参加者とともに考え、意識を共有し、共に学ぶ観察会とした。
特定外来植物オオキンケイギク防除活動
紀北町内を流れる「奇跡の川」とも称される銚子川中流域に繁茂していた特定外来生物のオオキンケイギクを根から抜き取る防除活動を実施。12年目となるこの活動は、当初在来種を圧迫するほど繁茂しており、トラック荷台にいっぱいになるほどであったが、継続した地道な活動により、ビニール袋2袋にまで激減した。地道に防除することにより、本来あるべき自然環境が徐々によみがえってきた。
野山で遊ぼう~樹木医に学ぶあの木何の木~
地域の小学生とその親16名を対象に、熊野少年自然の家敷地内に生育する樹木と野草について、名前や生態を学ぶ観察会を行う。ただ単に名前や生態を知り、学ぶのではなく、講師としての役割は、助言やきっかけを与えるだけにとどめ、なぜこのような和名なのか、なぜこのような場所に生育しているのかを自らが答えを導き出すという趣旨のもと開催。木の肌、葉、実など五感を使って樹木や野草に触れることを通して、楽しく学んでいただいた。
アサギマダラの観察とマーキング活動
地域の小学生15名を対象に、自然に触れるきっかけつくり及び命の大切さを学ぶ体験学習を開催。渡りをするチョウとして知られるアサギマダラの生態を学び、実際に捕蝶し、観察そしてマーキング、さらに放蝶までの一連の活動を行う。昆虫を実際に自分の手で捕獲し、それをじっくり観察することで、自然への好奇心を抱くきっかけつくりとし、自然とはどんなにすばらしいものかを感じていただくことを趣旨に開催した。
浜辺に打ち上げられたゴミ~このゴミはどこから来たの~
地域の小学生6年生を対象に出前授業の一環として、熊野灘に面する尾鷲湾の浜辺に打ち上げられた様々なゴミを観察し、気になるゴミ3つを拾い、それが何か、そしてどこから流れてきたのかを考える授業をおこなう。ただ単にゴミを拾うのではなく、なぜこのようなゴミが発生し、どこから漂着したのかを考えることを趣旨に実施。ペットボトルや発泡スチロールなど様々な打ち上げられたゴミから、黒潮の流れ、海洋生物についてや海の温暖化など、大局的に海の問題について話し合った。
特定外来植物オオキンケイギク防除活動
地域のNPO法人主催の環境保全活動に講師として参加。特定外来生物に指定されているオオキンケイギクを根から抜きとり防除する活動で、地域住民22名が参加。本来生育すべき在来種が外来種に追いやられ、生態系が変化(悪化)してきている現状を学び、防除する必要性を学ぶ活動。
特定外来植物の防除活動~オオキンケイギクを駆除し、郷土種の花を咲かせよう!
河川の法面をほぼ占有している特定外来植物のオオキンゲイギクを根から掘り取り駆除する活動を実施した。この活動は9年目になり参加人数も少なくなってきたが、オオキンケイギクの個体数は目に見えて少なくなってきたことから、活動の効果がはっきりとあらわれている。もともとこの土手にはどのような植物が生育していたのかを参加者自らが考え、その郷土の種である植物を復活させ、その花をさかせようとする活動。講師と参加者一体となって本来の自然を取り戻す活動である。
浜辺に打ち上げられたゴミ~このペットボトルはどこから来たの~
出前授業の一環として、地域の小学生5・6年生を対象に題記の活動を実施した。熊野灘に面した尾鷲市の磯浜や砂浜には多種多様なものが打ち上げられるが、その中でも日本以外の漂着ゴミが多いのが実情である。その打ち上げられたゴミを生徒たちが拾い、パッケージなどからどこの国から漂着したのかを知り、それが意味するものを生徒一人一人が自ら考え、現状を把握し、将来どうすべきかを話し合った。様々な意見が飛び交う中、海の生物を守る大切さや海や大気の温暖化についても意識の共有をした。
特定外来植物のオオキンケイギク防除活動
地域のNPO法人主催の環境保全活動に講師として参加。近年、全国に拡大しつつある特定外来植物のオオキンケイギクであるが、当地域でもあちらこちらで繁殖し、在来種の生育場所が追われ、本来あるべき自然の姿が失われつつある。これを危惧して、地域住民20名が参加して伐根作業を中心とした防除活動を行う。
100年ぶりの野生の新種・クマノザクラの生態等についての自然観察会
100年ぶりに発見されたサクラの新種クマノザクラ。オオシマザクラが発見されてから100年ぶりとなるこのサクラは三重県、奈良県、和歌山県にまたがる一部のエリアにしか自生していなく、その詳しい生態がわかっていない。このことから地域のビジターセンターが主催となって、樹木医でもある私が講師として参加し、地域住民21名に対して、その生態や特徴などを、実際に野外に自生しているクマノザクラを観察しながら解説を行った。