登録年度 2013年度
氏名 遠藤 正
(エンドウ タダシ)
部門 市民
性別
年代 70代
専門分野 資源・エネルギー、産業、消費生活・衣食住
主な活動地域 東京都多摩市
主な経歴 昭和51年より東京都公立小学校員として33年間、農業体験を中心とした環境教育に取り組む。平成21年、廃校活用事業に関わり「みなもと体験館道志・久保分校」、農業体験・自然体験活動を充実させる。平成23年より町田市立青少年施設で遊休農地を生かした環境学習に取り組む。
特記事項 平成5年森林インストラクター資格取得、著書『環境ハンドブック(平成3年日本教育新聞社)』 『環境教育実践読本(平成6年教育開発研究所)』

活動の紹介

育てた蚕の繭を使って ランプシェードを作ろう

活動日 2024年2月8日
分野 消費生活・衣食住
対象 子ども
属性 小学校
依頼元 小学校
活動区分 普及啓発
小学3年生を対象として10年近く続く活動である。児童は春に市の教育委員会から配られた蚕のたまご「蚕種」から飼育を始め、繭ができる所までを全員が体験する。夏休み後 希望する学校に順次赴き、まずは蚕の原種であるクワコから繭が少しでも大きいものを求め 約五千年かけて大きな繭を作る品種ができた話をする。次に家畜として動きの少ない虫になっている蚕が繭を作る時だけ上に昇る習性を活かして約百年前に日本で「回転まぶし」が発明された話をしてから実際に糸をペットボトルに巻き付けてランプシェードを作る。途中、座繰りの器械を見せ ハンドルを回す体験をさせている。

ヒノキ材を使って ドアプレートを作ろう

活動日 2023年8月23日
分野 自然への愛着
対象 子ども
属性 自治体
依頼元 自治体
活動区分 普及啓発
関東地区の都市とその水源林を有する村との交流事業である。 村内には古くから植栽されているスギ・ヒノキ林が多くあり 友好市からの水源ボランティア活動も盛んである。その活動で出てくるのが間伐材。その活用はどこでも課題である。住宅材としては大径木が求められるが 器具材工芸材としては間伐材を使う事も可能である。ドアプレート作りでは 自分でデザインを考えた後 彩色ペンで文字や絵を描く。そして村内や都市の街路樹から自然の恵みとして得られる木の実をつけて完成させる。

クワ枝の樹皮を使って和紙を作ろう

活動日 2023年8月15日
分野 消費生活・衣食住
対象 子ども
属性 企業・団体
依頼元 企業・団体
活動区分 普及啓発
毎年恒例となっている活動である。 クワの葉は 蚕の餌として重要である。養蚕農家数は昭和5年 全国で230万軒あったが現在は約150軒と激減している。以前は地図記号として桑畑のYの様な記号も指導の対象となっていたが現在は外されている。それでも都会の樹木を観察すると野鳥が種子を運んだのか 桑の木を見ることができる。東京都のM市では 4分の1近くの小学3年生が学校で養蚕に取り組んでいる。蚕は葉のみを食べるので 枝が残る。その樹皮を使って和紙を作っている。

スギ材を使って椅子を作ろう

活動日 2023年6月11日
分野 消費生活・衣食住
対象 子ども
属性 企業・団体
依頼元 企業・団体
活動区分 普及啓発
昭和23年 ある雑誌で「リンゴ箱の板で椅子を作り 台所に置こう」という特集があった。当時は運搬する容器にプラスチックや段ボール材はなく、大半は板材や竹製品であった。そしてリンゴを運搬した板材を分解して 新たに家具を自分で作るという発想が 今から75年以上も前に存在し 実践されていた事実に驚きを感じる。 スギは住宅材として長く使われてきたが 軽量で軟らかく 児童がノコギリを使って切断したり、カナヅチを使って釘打ちを する作業にも適している。衣食住に関する用具を自分で作る成就感と 祖父母が玄関で靴の脱ぎ着に使ってもらえる満足感を持ってもらえることができた。

カイコのことを知ろう

活動日 2023年1月26日
分野 生命
対象 子ども
属性 小学校
依頼元 小学校
活動区分 講演・講師
小学3年生理科「昆虫の体の作り」の発展学習としてあるいは総合の学習として カイコを飼育する小学校や幼稚園・保育園 があり 毎年数校の学校の授業でカイコの話をしている。原種であるクワコを改良して大きな繭を作る品種ができたことや 在来種である小石丸の生糸が正倉院の宝物の修理に使われた事や 昆虫の習性を活かして回転まぶしが発明された事などをできるだけ実物を使って説明すると 子どもたちはより興味を持って聞いてくれるような気がする。

春の七草の寄せ植えと七草料理を食べる会

活動日 2023年1月5日
分野 自然への愛着
対象 大人
属性 その他
依頼元 自治体
活動区分 講演・講師
7年目になる年始恒例の会。 前日までに繁茂して困っている竹林からモウソウダケを伐り出し、竹鉢に加工しておく。当日 参加者に鉢に七草を寄せ植えしてもらい、名札を立てて、それぞれの草の特徴を理解してもらう。お昼は 調理場のスタッフの方が作った 七草を素材とした料理をいただいて 自然の恵みを体感した。

スギ材を使って イスを作ろう

活動日 2022年11月19日
分野 消費生活・衣食住
対象 子ども
属性 幼稚園・保育園
依頼元 幼稚園・保育園
活動区分 企画・活動
保育園の年長児と保護者を対象に スギ材でイスを作るイベントを企画、実施した。スギ・ヒノキ材は我が国で最も多く植栽されている樹種であるが イスなどの家具に使われることは少ない。しかし子どもたちがノコギリで切断したり、カナヅチで釘を打ったりする時は、材のやわらかさが、初心者の加工を可能にしてくれる。特にスギは軽いので年長児にも容易に扱うことができる。 釘が外にはみ出してしまい バールでやり直す場面もあったが てこの原理を学ぶことにもなった。

道志村の自然素材を使って ドアプレートを作ろう

活動日 2022年7月24日
分野 資源・エネルギー
対象 子ども
属性 小学校
依頼元 自治体
活動区分 企画・活動
横浜市の水源林の一つに 山梨県道志村があり 多くの人々の手によって長年 整備が続けられている。 今回は 夏休みの啓発活動として 道志村で育てられたヒノキ材の板の上に木の実や枝を貼り付けて ドアプレートを作りあげた。 小学3年生国語の教科書に「もちもちの木」という話があり 栃の木が登場するが 縄文時代から食料として活用されていた ことや ムクロジの実は 羽つきの羽根に使われたり サポニンが洗剤として使われてきたことなどを説明してから 飾りに使ってもらった。

みどりとふれあうフェスティバル

活動日 2022年5月15日
分野 自然への愛着
対象 子ども
属性 小学校
依頼元 自治体
活動区分 講演・講師
久しぶりに第31回森と花の祭典「みどりとふれあうフェスティバル」が実施され 森林インストラクター東京会として 小学生を主とした親子連れに対して森林の多様性や大切さを 木などの自然素材を使ったクラフト活動や 木へんの漢字クイズなどを通して楽しく学ぶ事に取り組んだ。 例えば 桐と欅は共にタンスの材料として活用されてきたが 火事では家を取り壊すしかなかった江戸時代には 持ち運びしやすい軽量の桐箪笥が重用されたことを 2種類の板を実際に持つことによって体感してもらった。また桐箪笥は削り直しというものを大切に使う知恵があったことも伝えた。

春の七草の寄せ植えと七草料理を食べよう

活動日 2022年1月5日
分野 消費生活・衣食住
対象 大人
属性 自治体
依頼元 自治体
活動区分 普及啓発
春の七草の実物と名前を結びつけることのできる人は意外と少ない。特にホトケノザは キク科のコオニタビラコであるがそのことを知る人は実に少ない。この草は稲作をしている水田では普通に見ることができるが、耕作をやめ多くの雑草が上に伸び始めると 太陽の光が届かない下の方で真っ先に絶えてしまう。異常気象が常態化している現在、時間降水量100ミリになることも見られる今 自然のダム と呼ばれる水田の価値が高まっている。ホトケノザの説明をする時 水田の大切さを合わせて話すようにしている。

蚕を育ててできた繭で糸とりをしよう

活動日 2021年11月10日
分野 自然への愛着
対象 子ども
属性 小学校
依頼元 小学校
活動区分 普及啓発
小学3年生理科 昆虫の体のつくり の発展学習として蚕を飼育する学校が東京都にもある。 私は糸とりの活動をする前に 子どもたちに人と蚕の関わりについて話をしている。毎回 教材として 回転まぶしを展示し、どのように使うかを子どもたちに質問している。この道具は 約100年前 山梨県の養蚕農家の方が発明したが、蚕が繭を作るとき上に昇る習性を活かし電力を使うことなく 蚕の重さで回転できるように工夫されている。その道具が100年経った今でも世界中で使われていることに子どもたちは感心していた。

桑の樹皮を使って和紙を作ろう

活動日 2021年8月12日
分野 資源・エネルギー
対象 子ども
属性 小学校
依頼元 小学校
活動区分 普及啓発
蚕の飼育では桑の葉が使われるが 枝は残る。その樹皮を使って和紙作りに取り組んだ。以前 牛乳パックを使って紙作りをしたことがあった。資源を有効に活用することに価値はあったが 紙から紙を作る活動だったので 子どもたちが驚く場面は見られなかった。ところが桑の場合 枝を茹でて皮をはがす活動から始め パルプを棒で叩き 木枠で漉き 乾かして和紙が出来上がると感動する子どもが多い。何枚も作るとモミジの葉っぱなどをすき込んで工夫した和紙の葉書を作ることができた。

春の七草の寄せ植え

活動日 2021年1月6日
分野 自然への愛着
対象 大人
属性 自治体
依頼元 自治体
活動区分 企画・活動
日本の歳時記として位置付けられている 春の七草。正月を過ぎると スーパーマーケットの店頭にパック詰めされた春の七草が並び 人々はお粥にして一年の無病息災を願う。日本の多くの小学四年生は国語の教科書で 春の七草の名前を七五調で学ぶ。しかし名前を言えても実際に生えている草を意識して見た子どもは少ない。大人も同様である。そこで竹の鉢に春の七草の苗を寄せ植えするワークショップを実施している。竹を鉢として活用することは モウソウダケの繁茂に困っている所有者にとってもウィンウィンの関係になっている。

カイコの話と糸とり

活動日 2020年10月5日
分野 産業
対象 子ども
属性 小学校
依頼元 小学校
活動区分 講演・講師
一粒万倍という言葉があるが 養蚕にも通じていて 1齢幼虫と5齢幼虫を比べると体積は一万倍になっている。そして桑の葉を食べる量も格段に増え、養蚕農家は米作りや麦の収穫、家畜の飼育をしながらの作業なので 想像もできないような忙しさだったと思う。蚕の飼育経験を持つ子どもたちは、そのことがある程度理解できるので長い時間にも関わらず真剣に聞いてくれた。

カイコの話

活動日 2020年7月22日
分野 産業
対象 子ども
属性 小学校
依頼元 小学校
活動区分 講演・講師
小学校でカイコの授業をするようになって6年目になる。コロナ禍によって授業日数が減少し 今年度は蚕の飼育を断念した学校もあるが 貴重な体験活動として例年以上に蚕の授業を位置付けた学校も多かった。本校もその一つで 授業を2回に分けて実施した。普段は20分で蚕の話をするが 今回は45分あったので SDGsの視点から話を進めた。具体的には繭が生糸として活用されるだけでなく 和紙や画用木炭になるなど ゼロエミッションで活用される事を伝えた。