登録年度 | 2014年度 |
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氏名 | 太田 省三 (オオタ ショウゾウ) |
部門 | 市民 |
性別 | 男 |
年代 | 80代 |
専門分野 | 生命、自然への愛着、生態系・生物多様性 |
主な活動地域 | 愛知県春日井市 |
主な経歴 | 平成12年、東海豪雨で地元弥勒山に山崩れが起きた。それを契機に私の活動が始まった。多数の小学校の協力で5年後、崩落地へのどんぐり植樹を仲間と開始。並行して、小学校や公共団体による自然体験のガイド、自主企画の観察会、ギフチョウ保全、行政と協働の希少動植物の保全等を推進してきた。 |
特記事項 | 資格:「プロジェクト・ワイルド」エデュケーター、「自然体験活動」リーダーほか/著書:『築水の森からこんにちは』『どんぐりセンセイ語る』ほか/受賞:かすがい環境賞 |
活動の紹介
わくわく自然ランド「冬の野鳥とほっと体験」
当日は前夜の雪で銀世界。だからこそみられる生物の営みもあろう。ではどんな営みに出合えるか、期待して出発。野鳥の声と姿、樹木の冬芽などを主に探した。自然観察の後は昼食にホットな豚汁を参加者共同の調理で予定したが、新型コロナ対策で職員の調理に変更。替わりに参加者はかまど体験をしてもらった。出合った野鳥はツグミ、シロハラなどの冬鳥を始めとして16種類。参加者はその多さに「一人歩きではとても気付かない」と感激。児童も、「鳥の違いがだいぶ分かった」「冬鳥の生き方が分かった」などと。
執筆『樹木入門ナビ 高森山この木なんの木』(冊子)
高蔵寺ニュータウンの中に残された自然豊かな高森山。市の公園の一部をなす山であるが常緑樹の繁茂が著しく、暗い山と化している。かつ、長いあいだ散策路の適切な整備も行われてこなかったため、市民が近づきにくい。それを大人も子どもも利用しやすくする取り組み(間伐・除伐など)が市民団体を中心に始まった。その一環で本書の発行を企画した。高森山を訪れる人のガイドブックとして利用してもらったり、市民・児童対象のイベントでは本書をテキストにしたりと、幅広く役立っている。
自然探検「探検、体験、大発見!」
校区の自然を初夏・秋・冬、同じコースで歩き、季節による動植物の変化を学ぶ理科の一環。自然に詳しい地域の大人がガイドする。2001年からの学習会である。筆者は当初から協力。担当コースは庄内川。河川敷や公園、往復の道で見かける花、虫、鳥などから初夏の自然の特徴を考えてもらった。ツバメの生態から夏鳥と虫~若葉の関係、食物連鎖、生態系のバランスへと発展。水中の石に棲む水生昆虫を発見したり、水切りを楽しみ、小石がみな丸いことに気づいて理由を考えたり。「めっちゃ楽しかった」の感想。
春日井市自然環境保全活動推進員定期巡回
当市指定の希少な動植物8種類(シデコブシ、ヒメタイコウチなど)の生育状況とその環境に異常や盗獲などがないかを見て廻る。市長の委嘱をうけた「自然環境保全活動推進員」として月に1回、班単位で行う。この日の巡回では問題なしと見受けられた。キビタキ、オオヨシキリなど夏鳥の声が盛ん。メジロやウグイスの美声もおおく、鳥たちも繁殖にいそがしい。自然は賑やかで活気に満ちていた。本来は年間で12回の予定だったが、新型コロナによる緊急事態宣言等で巡回中止もあり、5回にとどまったのが残念。
わくわく自然ランド「今が一番、新緑」
自然と触れ合うことの楽しさや驚き、自然のふしぎ、多様性などを五感で感じてもらい、自然環境の大切さを次世代に伝えるために行われた。筆者はガイドの一員として協力した。今回は新緑の時季をふまえ、若葉から虫、より強い虫、鳥や小動物などへとつながる食物連鎖や生態系の大切さを伝えることを主にした。参加者はコナラの新葉の輝きに感嘆し、それを食べる虫を発見。モチツツジの粘液に絡まった昆虫を見つけてこのツツジの「もち」の効力を実感。羽化したばかりのシオカラトンボの命に拍手を送った。
高森山の紅葉を見よう会「秋の高森山をガイドと歩く――どんぐりや落ち葉のアクティビティも」
高森山は高蔵寺ニュータウン(NT)関発に際して唯一残されたNT内の山だ。昭和40年に山火事で中腹以上が裸同然となった。当時、NT住民による「ドングリ作戦」が行われ、今では豊かな緑が戻った。反面、常緑樹の繁茂で暗い森と化したうえに長らく手入れがされず、利用者はまれだ。ここを定期的・計画的に整備し魅力ある公園にするのが当会の目的だ。この山の魅力を市民に伝えるため春と秋に催事を開催。筆者は主催者側で企画や本番のガイドに臨んだ。参加者はタカノツメ(写真)の落ち葉の甘い香りに「自然再発見!」と感嘆。
秋の自然観察会「秋の里山をガイドと自然観察――集めた木の葉、木の実などで工作も」
秋の里山を自然環境保全活動推進員のガイドで散策。五感をとおして多様な自然を学んだ。カマキリの卵鞘に初めて触ったある子はその不思議な感触を「案外硬い。でも柔らか」と述べた。中に暖房のため空気を詰めていると知ってカマキリの知恵に感嘆。木の古株が虫と微生物の働きで砕かれ腐食し最後は森の養分になることに別の子が深くうなづくと、親も共に喜んだ。アンケートには「地面が落ち葉でフカフカと気づいた」「自然素材の工作をもっとやってみたい」などとあり、実施のねらいは達成。筆者はガイドの一員として協力。
夏の自然観察会「探そうよ! 川の中の不思議な生き物を」
郷土の川「庄内川」にはどんな生き物がすんでいるか。水質は? 川の果たす役割について考え、環境保全の大切さを学ぶ――とのねらいで実施された。参加児童は川に入り、手網で小魚や水生生物の捕獲を楽しみ、いろんな生き物がいることに驚いた。水質検査の結果は「ややきれい」で昨年と同程度とわかり、みな安心感を得た。「川にごみを流さない」「川でおしっこをしない」などとアンケートに書いた。保護者は「様々な生き物に直接触れたり見たり、水質の勉強もあり、とてもよかった」などと記した。筆者は運営協力者として参加。
春日井市自然環境保全活動推進員「定期巡回」
当市では、条例に基づき、特に保護する必要がある希少な野生の動植物8種を「指定希少野生動植物」として指定している。それらの良好な生育環境が保たれているか、自然環境保全活動推進員が班単位で一定の地域を巡視している。今年度は新型コロナによる非常事態宣言があり、班単位の巡視の中止があったが、単独で2回、宣言解除後は班単位で3回実施した。市民の自然環境保全意識の向上もあり、環境は概ね良好に保たれていると感じている。
どんぐりセンセイのやさしい自然(自然環境保全意識の啓発)
地域の生活情報誌『まちね』編集部の依頼で、自然環境について連載執筆した。読者は一般家庭の生活者なので、なるべく身近で、かつ今の時代に重要なテーマを選んだ。大事なことは、努めて易しく書くことだ。数人の読者から「わかりやすく、おもしろかった」「次回も楽しみにしている」などの感想が届いた。掲載は、2021年中、隔月で続く予定。
岩成台小学校自然探検「真冬」編――真冬のいま、自然の動植物はどう生きているか身近な自然に探る
「秋」編に続いての学習会である。真冬のいま、自然は秋と比べてどう変わったか。また、どう春の準備をしているか、虫や草木の姿からそれらを学んだ(写真はどんぐりを探す児童)。児童は感想文に書いた。「虫は寒さを防ぐために竹の穴の中に入ってすごしていた。サクラはつぼみで春のためにじゅんびをしていた」(Y・Kさん)。「秋は冬のためのじゅんびをしてるし、冬は春のためにじゅんびしていました。こうやって季節をくらべたらものすごく楽しいことがわかりました」(N・Aさん)。――皆、さまざまな発見や感動があった。
どんぐりSカフェー――春日井東部丘陵地域の歴史をたずね、高森山公園の未来を描く
全国有数の大規模団地にある高森山。江戸・明治期以来たびたび裸にされた悲惨な歴史を負いながらも、先人の汗と涙で緑を回復させて今がある。そこで子どもたちが野性的な遊びができ、大人の健康増進にもよい公園にするには? 利用過多・管理過多にならないよう動植物の基礎データ蓄積し、持続と開発のバランスよい活用を考えよう。動植物種や生態系の多様性を今よりも後退させてはならない――と強調。筆者のほか講師二人と一般市民41人とで話し合った(NPO高蔵寺ニュータウン再生市民会議主催/写真は質疑応答中の筆者)。
秋の自然環境学習会――里山探検(身近な里山の自然観察と工作で自然と触れ合う)
春日井市自然環境保全活動推進員の一人として催しをサポートした。対象は児童及びその保護者計54人。この時期ならではの木や草の実をとおして動物と植物の関係、自然の成り立ちを学んだ。「土がふわふわ。自然のつながりが分かった。植物・花・タネに触れ合えてよかった」「クリのいが、どんぐりなど全部面白かった」などと好評。筆者は、配布資料『気温変化と動植物の生き方』(写真)の執筆・製本に特に注力した。催しのねらい「自然環境に興味を持つ」は達成したと総括。
岩成台小学校自然探検「秋」編――涼しくなると動植物はどう変化するか身近な自然に探る
動植物は季節による気温の変化に合わせて生き方をどう変えているか。晩秋の今、虫たちの数は夏と比べてどうか。木や草の色は? 花や実は? など、校区の自然での学習会を手伝った(4年生理科の教科書に沿って実施/写真はトベラの実を観察する児童)。児童らは五感をとおしての自然観察によって、樹木に落葉樹と常緑樹があることや、多くの草や木がこの時期に紅葉したり果実(種子)をつけたりすることの意味を学んだ。動植物の冬越し法やその準備を知り、自然の営みの不思議や動植物の知恵に目を開かされた。
高森山公園未来プランワークショップ――春日井東部丘陵の荒廃と再生の歴史、将来の利活用
ワークショップの主旨は「高森山公園のあるべき未来の姿を考える」というもの。大規模団地にあって緑豊かな高森山を擁するこの公園をより利用しやすく、愛される公園へと再整備したい――という構想で行われた。そのうち筆者は有識者講義の一人として講話を担当。「春日井東部丘陵地域の荒廃と再生の歴史、利活用の現況と将来」をテーマとした。江戸・明治期以来たびたび裸の荒れ山と化した一帯の悲惨な歴史に立ち、現状の多様な生物相と生態系の保全持続ならびに具体的な活用案を訴えた。
2018年度活動実勢報告提出済
2018年度活動実勢報告提出済
岩小自然探検「冬」(真冬の厳しい寒さを動植物はどう生きているのかを身近な自然でしらべる)
今回は年間ロングテーマの3回目(最終回)である。前2回とおなじく子どもたちは、大いに楽しみながら自然を学んだ。真冬の自然、そして春を間近に控えた自然とはどんな姿をしているのか。それらを表すものとして、①裸になった木と濃い緑の木②サクラの花芽やハンノキの雄花③落ち葉の下で発根中のどんぐり④ロゼット植物たち⑤スズメバチの巣やカマキリの卵鞘、ガの卵塊――などコースで発見した動植物に、厳しい自然を生きる生物の知恵や戦略を学んだ。また、3回を振り返ることで、1年間の自然の大きな流れを確かめた。
岩小自然探検「秋」(晩秋、気温が下がってくると動植物はどう変るか、初夏との比較で考える)
今回は年3回シリーズの2回目である。前回の「初夏」から自然がどう変ったか。夏がとうに過ぎ、秋も終りに近い今の自然はどんな特徴があるのか。動植物の様子を探ることでそれを学んだ。植物では、紅葉した木と濃い緑の木があり、それは初夏に気づいた2群とおなじグループであることに気づいた。どんぐりやシイの実、ススキの穂綿などから植物の冬越しの方法を学んだ。虫がほとんど姿を消したなか、ケヤキの樹皮のすき間にひそむヨコヅナサシガメや落ち葉のあいだに群がったケバエの幼虫に、冬ごもりに入った昆虫の姿を学んだ。
「高蔵寺ニュータウンにコミュニティガーデンを」――ひまわり定植まつり
高蔵寺ニュータウン内にある広大な県有地。市民の知恵と力でそこにコミュニティガーデンをつくろうと5年まえ「市民の会」が発足し提案活動を開始。同じ県有地にある高齢者福祉施設「どんぐりの森」がそれに賛同、構内の一部を活動拠点として使わせていただけることになった。そこでの具体的活動の第一歩として始めたのが「ひまわり作戦」だ。多くの市民が「ひまわりの里親」として育苗キットを受け取ってくれた。それを各家庭で発芽させ、育てた苗を「定植まつり」のこの日持ち寄った。数は二百本超。里親たちはあつい思いで定植した。
野外学習「一人はみんなのために、みんなは一人のために」第2日みろく山自然観察登山
この学習会は、地元岩成台小学校の5年生41人を対象にした、一日自然観察登山である。春日井市少年自然の家での二泊三日による「野外学習」(自然体験)の一日を、筆者の所属する「環境学習ネットワーク」のメンバー13人が「自然の案内人」となっての自然観察登山である。多くの子が登山は初めてだったが、困難にめげず挑戦し、下山後は全員が大きな達成感に包まれた。自然環境についても、天然林・人工林、流れる水の働き、生き物の「食べる食べられるの関係」、キノコや微生物など本格的な自然を学び、自然への目が開かれた。
岩小自然探検「初夏」(気温の変化と動植物の成長・活動の関係を1年間、身近な自然に学ぶ)
今回は、同じテーマで年3回学ぶうちの第1回「初夏」編である。植物では、樹木の葉の色と硬さに2群あること(落葉樹と常緑樹)に気づいた。動物では、樹液に群がったカナブンや、「メダカ池」で活発に動くメダカやザリガニを確認。草むらでは多数のバッタやテントウムシ、芋虫をとらえることができた。こうした虫たちや木の葉が次回11月の自然探検ではどうなるか探ることを課題とした。また、まつぼっくりの赤ちゃんの成長や、タケノコがタケへと成長する過程を「発見」した。自然に触れる子どもたちは生き生きとしていた。
「市民から見た市民協働の現状」勉強会
任意団体の立場から、あるまちづくりプランを行政に提案している。それに際して、「市民協働」とはどんなものか、行政の考える市民協働と市民の考えるそれとは、はたして同じなのか、ちがうのか、当市の実態や他市の実状を学んできた。今回の勉強会は、筆者が所属する春日井市自然環境保全活動推進員の立場から、推進員としてのこれまでの取り組みを紹介した。合せて、参加者からの質疑応答による意見交換をおこなった。
岩成台小学校「野外学習」
「野外学習」は、春日井市全38小学校の5年生が二泊三日で少年自然の家に交代で宿泊して行う環境学習である。その一つとして、仲間8人の協力を得て本校のサポートを担当。児童38人全員が当市の最高峰弥勒山(436.6m)へ登った。コースでは、葉っぱや植物の実、昆虫、キノコなどをとおして自然の成り立ち(食物連鎖など)を学び、「ふしぎ!」や「すごい!」「なぜ?」などを体感した。終了後の「ふりかえり」では「自然を大切にしなければならない理由が分った」との感想が口々に述べられた。写真は登山路で休憩中の様子。
「夏休み自然環境学習会」
本件は、小学児童と保護者を対象に、自然環境保全意識の啓発を目的とする学習会である。行政の委託を受けて、自然環境保全活動推進員8人の実行委員会で企画と本番を担当した。参加市民は37人。内容は、第1部で「落合公園で身近な自然のふしぎ発見」と題する自然観察。第2部で「自然の素材を使っての工作」とした。催しをとおして、街なかの身近なところにある自然の「ふしぎ!」や「おもしろい!」に気づいてもらった。合せて、自然環境保全の大切さや、自然に優しい暮らの必要性を伝えた。写真はバッタの保護色について学ぶ児童ら。
「岩成台小学校探検隊」
本件は、岩成台小学校4年生(40人)を対象とする環境学習である。6月、11月、2月と、年3回、自然の実地に触れ、季節変化による植物や虫、鳥たちの変化など、自然の移り変わりを学んだ(4年生の理科とリンク)。その中から身近な自然の「これ何?」「なぜ?」「ふしぎ!」「すごい!」などの体感をとおして自然への愛着ひいては環境保全の心を育むことをねらった。児童は全員、気付いたことや感動をスケッチ入りで記録した。コースの下見、本番とも、活動仲間8人の協力を得た。
春日井市自然環境保全活動推進員定期巡回
この活動は、春日井市の指定希少動植物種の保全や生育状況を実地に見回るものである。市長の委嘱をうけた春日井市自然環境保全活動推進員の立場で、各月1回行なった(1回の見回り人数は4~5人)。対象の動植物とはシデコブシ、ギフチョウなど8種。見回った地域は、当市東部丘陵地である。盗掘や無断の捕獲などを抑止する効果をねらった。途中で出会った人にはちらしを配るなどして、一般市民への啓発に努めた。推進員全26人出席のもと事務局(市所轄課)を中心に連絡会を隔月で行い、情報交換と次への展開を図った。
自然探検(高座小学校環境学習支援)
本件は理科の一環である。季節の温度変化で動植物の動きがどう変わるか、身近な自然環境で調べる。初夏と秋、真冬の3回行ううちの2回目である。初夏に若緑だった木々が紅葉し、木によっては散り果てていた。一方で緑のままの木もあることに気づいた。植物が一斉に実を付ける不思議、その理由。果実(植物)と動物の持ちつ持たれつの関係(共生)に気づいた。植物がさまざまな方法で種子を散布している様子を実地に見た。夏に多数いた虫たちは今どうしているか、探してもらった。教科書を離れて実地で調べ、多くの気づきを得た(写真)。
春日井東部丘陵 荒廃と再生の歴史、利活用の現況と将来
当講演の目的は、野外活動指導者の資格取得を目指す人に一定レベルの知識経験を積んでもらうこと。その講師として出講した。地域の歴史・文化に重きを置いた座学と自然観察を、との主催者の要望で標記のテーマとした(写真)。当丘陵地は19世紀末から陶磁器の燃料用に森が伐り尽くされ裸と化した。明治政府主導の植林で一旦は再生したが、戦中・戦後の乱伐、大規模団地の開発など度々、悲惨な歴史を強いられてきた。産業・開発か環境保全か。世界規模の今日的課題が百年前から当地にあったことを通して今後の在り方を考えてもらった。
ツバメ調査――ツバメの巣づくりをとおして地域の環境変化を知る
児童と校区内のツバメの巣を探し、営巣場所の確認、個数集計などで生息環境を調査した。探す方法は、路上から家々の軒下を見るのを主とし、出会った地元の人にも聞いた。――家を建て替えたらツバメが来なくなった、従来営巣されていた建物が工事中のため来なくなった、車庫に営巣されて糞害があり壊した――など、ツバメに厳しい現実を児童らは知り、心をいためた。反面、糞受けを設ける(写真)などして大事に見守る人の話を聞け、心なごむこともあった。地元の人との触れ合いにより地元への啓発にも役立った。
春日井市指定希少動植物8種の生育環境見回り
市指定の希少な動植物8種類(シデコブシ、ギフチョウなど)の生育状況やその環境に異常や盗獲などがないか見て廻る。市長から委嘱された「自然環境保全活動推進員」(写真)として月に1回、班単位で行う。この日の巡回では別段の問題は見られなかった。オオヨシキリ、キビタキなど夏鳥の声が盛ん。カワラヒワがいつもの場所に多数。ウグイスやコジュケイの声もにぎやかで、鳥たちは繁殖にいそがしそう。自然は活気にあふれていた。本来は年間で12回の予定だが、新型コロナによる活動自粛があり、5回にとどまった。