| 登録年度 | 2023年度 |
|---|---|
| 氏名 | 中村 和幸 (ナカムラ カズユキ) |
| 部門 | 市民 |
| 性別 | 男 |
| 年代 | 70代 |
| 専門分野 | 生命、自然への愛着、生態系・生物多様性 |
| 主な活動地域 | 五月山 猪名川 |
| 主な経歴 | 2005年7月に積水ハウスと共同で梅田スカイビル公開緑地「花野」に花と蝶の庭を制作した。さらに花野に生息する昆虫、植物の調査を実施している。さらに狭山池公園、笹原公園、彩都西公園等にバタフライガーデンを制作した。また、猪名川運動公園にチガヤおよびススキ群落づくりに取り組んでいる。 |
| 特記事項 | ①2級ビオトープ管理士、中級環境再生医、②ビオトープ教育入門(農山漁村文化協会)、昆虫と自然2016年7月号、③池田市緑のセンター 園芸相談員、④第11回毎日地球未来賞 準大賞、題2回読売教育賞 (生活科・総合実習の部)最優秀賞 |
活動の紹介
五月山の昆虫調査と研究論文の指導
五月山は大阪府池田市にある山であり、多くの生物の生息が確認されている。ただ、昆虫類についてはほとんど調査されていないのが実情である。
大阪府立園芸高等学校モリチャバネゴキブリ部が五月山の昆虫調査に取り組むことになった。そこで、若手の昆虫マニアである竹内陸氏の協力を得て、2024年10月から2025年9月まで月1回から2回、五月山の昆虫調査を実施した。
この調査結果を元にして五月山の昆虫相をまとめるために、環境カウンセラーとして協力することにした。
現在、五月山昆虫リストを作成中であるが、調査・研究成果を部員にまとめさせ、高校生小論文コンクールに応募させることができた。
五月山昆虫リストは完成後、印刷して、池田市の公共施設等で配布したいと考えている。
ジャコウアゲハの復元活動
ジャコウアゲハは準絶滅危惧種(群馬県、鳥取県、大阪府)、絶滅危惧Ⅱ類(島根県)に指定されている蝶である。ジャコウアゲハはウマノスズクサしか食べないため、この食餌植物が無くなるとジャコウアゲハは生息できない。
五月山の蝶類調査をされた下村孝氏の報告書にはジャコウアゲハは見られなかった。
本当に生息していないかを確認するため、池田市みどりのセンターのフェンスにウマノスズクサを植栽スルト、ジャコウアゲハが飛来し、産卵も見られた。
また、みどりのセンターと池田市スポーツセンターに草花苗を配布し、来場者に配布し、緑化推進にも貢献した。
猪名川運動公園の昆虫、植物調査
池田市の管理する猪名川運動公園には様々な植物が生えており、これらの植物を食べる昆虫や昆虫を捕獲する肉性昆虫が生息している。
低水敷で園芸高校の先生がキツネアザミの種子を17粒採集され、2年かけて増殖し、多くの苗を作ることができた。そ個で、この苗を猪名川運動公園の花壇に植栽した。
また、この花壇にはスミレ、ナノハナ、オミナエシ等も植栽した。
また、池田市みどりのセンター、池田市スポーツセンターにも、花苗を提供し、緑化推進に貢献した。これらの苗は市民に無料で配布していただいた。
花いっぱいの能勢妙見山
妙見山の山頂には日蓮宗霊場 能勢妙見山がある。妙見山の近くには大阪府立城山高校がある。そして、城山高校で栽培した草花の苗を妙見山の境内に植栽していた。城山高校は平成20年に閉校になったため、機能統合先の園芸高校がこの活動を引き継いだ。
園芸高校は年2回、1年間で1500ポット以上の花苗を提供している。そして、これらの苗は境内に地植えされたり、鉢植えされ、ここを訪れる多くの方に楽しんでもらっている。さらに植栽した草花に多くの昆虫が吸蜜に訪れている。
梅田スカイビル新里山花野の生物調査
新里山花野が開園されて、20年が経過した。開園時に植栽した樹木は樹高10m以上に成長したものも見られるようになった。樹木の成長とともに日陰が増え、蝶の種類も減少した。ただ、日陰を好むムラサキケマンやキランソウが繁茂するようになった。さらに水田には絶滅危惧種のミズオオバコか繁茂した。
日本の原風景を再現した新里山はここを訪れる外国人にも大変好評であった。
2024年、2025年にかけて、この場所で生物調査をさせていただき、その研究成果を積水ハウスへ報告させていただいた。
梅田スカイビル新・里山花野の生物調査
平成17年に完成した新・里山花野は植栽した樹木も育ち、多くの生き物が生息するようになった。そこで、園内にどのような昆虫、植物が生息しているかを調査した。さらに園内に植栽されている樹木の樹高や胸高直径を調査し、樹木の生育状況を調査したあ。
植栽した樹木の中には樹高が10m以上に成長したものも見られた。また、近隣の街区公園に比べ雑草や昆虫の種類が極めて多かった。ただ、蝶類について種類数、生息数が減少していた。